大会(Congrès)

全国大会を年2回開催しています。    
La SJLLF organise deux congrès par an.

大会カレンダー

選択すると自動的に並び順を変更します。
タイトル
2024年度秋季大会(Congrès d'automne 2024)
会場

関西学院大学・西宮上ケ原キャンパス(兵庫県西宮市)

大会実行委員長
久保昭博
開催日
2024年10月26日(土)、27日(日)
大会案内

10月26日(土)・10月27日(日)両日、関西学院大学にて、2024年度秋季大会が開催されます。

詳しくはプログラムをご覧ください。2024年度秋季大会プログラム(8月21日修正) コピー.pdf(一部に不備があったため、差し替えました)

研究発表およびワークショップの要旨のPDFはこちらです。2024年度秋季大会 発表要旨・ワークショップ要旨.pdf

要旨集のパスワードは学会事務局からの9月3日のメールにてお知らせしております。今大会では、要旨集の会場での配布は行いませんので、必要に応じて印刷してご持参ください。

9月半ば頃、郵送にて大会案内がお手元に届くかと存じます。そちらにて、大会費等の振込(10月11日締切)についてはご確認ください。円滑な会計処理のため、事前振り込みにご協力ください。

なお、本大会では、二種類の託児サービスをご利用いただけます。

① 託児料金の補助 :関西学院大学内の託児所以外の託児所を各自でご利用いただいた場合、その料金について子ども 1 人につき 1 日 最大 5,000 円までの補助が受けられます。

② 大会会場内の託児所の利用:大会プログラムをご覧ください(申込期限は10月9日(水)17時です。1週間延長しました。)

①を利用される方は、託児サービス申請書_フォーマット.docx「託児サービス利用料補助申請書」をダウンロ ードのうえご記入いただき、領収書を添付して学会事務局にメールで送付してください。

以上、よろしくお願いいたします。

大会の記録(Historique des Congrès)

下の記事で、過去の大会について調べられます。一部未入力。Archives des congrès (1997- )

2021年度秋季大会(完全オンライン開催)

2021年度秋季大会発表要旨集


■2021年度春季大会・賛助会員展示ルーム

*大会両日にわたって、通常の賛助会員展示部屋にかえて、賛助会員展示用特設ミーティングルームを用意しております。以下にアクセスして頂けば、賛助会員の方々を訪問することができます。

 参加賛助会員一覧
 朝日出版社
 アシェット・ジャポン
 アティーナ・プレス
 グロリアツアーズ
 三修社
 駿河台出版社
 第三書房
 白水社
 フランス語教育振興協会 APEF
 ボンサマ

 

■2021年度秋季大会・賛助会員展示ルーム(大部屋)

10月30日(土)13:0017:00

 

https://zoom.us/j/91518041935?pwd=L1ZITzdXQUNmT0x6K25MVFgrYzhSZz09

ミーティングID: 915 1804 1935

パスコード: 392311

 

10月31日(日)12:0016:40

 

https://zoom.us/j/98174029250?pwd=S3V3cnBIQTJFRFAvc21QaXIwT3Rhdz09

ミーティングID: 981 7402 9250

パスコード: 978683

 


賛助会員情報(個別)

朝日出版社

朝日出版社ではZoomでのオンラインブースのほか、学会期間限定「新刊テキスト見本デジタル版」などをご用意いたしております。ぜひ下記HPからお気軽にお立ちよりください。

【朝日出版社 日本フランス語フランス文学会秋季大会特設HP

https://text.asahipress.com/free/french/2021sjllf/index.html

 

アシェット・ジャポン

【アシェット・ジャポン特設ページ】
個別ブースや新刊情報、献本依頼フォーム等をご用意しています!
https://www.hachette-japon.jp/gakkai2021
雑談やご質問など、何でもどうぞ!
ブースでお待ちしています。

 

アティーナ・プレス

http://www.athena-press.co.jp/french.html

http://www.athena-press.co.jp/catalogues/fr/French%20Department%20Store%20Catalogues,%20Pt.%201.pdf

http://www.athena-press.co.jp/catalogues/fr/Nouveau%20Paris%201860.pdf

http://www.athena-press.co.jp/catalogues/fr/Octave%20Uzanne%20(FS7-9).pdf

 

グロリアツアーズ

フランスオンライン留学

現地スタッフによるライブ・ビデオによるフランスオンライン文化ツアー

フランス留学情報

10月30日 13時~17時 https://us06web.zoom.us/j/89088211915

10月31日 13時~15時 https://us06web.zoom.us/j/83001360099

 

三修社

三修社オンライン展示ブースのURLは以下です。

https://www.sanshusha.co.jp/text/info.html#227

上記には、フランス語教科書カタログ2022(デジタル版)も掲載。

2022年度用新刊教科書には、好評既刊の新版『ヴレマン? 文法を深めながら発見するフランス14章[第2版]』(Liliane LATTANZIO/澤田直 共著)がございます。

ぜひ見本請求等お気軽にお申しつけください。

【日本フランス語フランス文学会2021年秋季大会 オンラインブースのご案内】

10/30(土)

時間:12:00-17:30

https://us06web.zoom.us/j/88615114609?pwd=alg3ZnZPTmhCMUIyQlBjMUNaTGdmdz09

ミーティングID: 886 1511 4609

パスコード: 053876

10/31(日)

時間:12:00-15:30

https://us06web.zoom.us/j/82590322421?pwd=dmNDdjFXKzloRU83cm1BNm9aQ2JOZz09

ミーティングID: 825 9032 2421

パスコード: 146397

 

駿河台出版社

【駿河台出版社 Zoomオンラインブース(上野名保子・上野大介)】

ご質問、雑談なんでも結構です。気軽にお越しください。

10月30日(土) 12:30-17:15

10月31日(日) 10:30-15:10

https://zoom.us/j/5576587058?pwd=Y25IVW1SbEE1ampZSEFWQWliVDh4QT09

ミーティングID: 557 658 7058

パスコード: surugadai

 

第三書房

第三書房オンライブース:

https://www.daisan-shobo.co.jp/company/c1615.html

新刊等の情報をご紹介しております。ご質問、ご相談、雑談など、弊社ミーティングルームへ、お気軽にお越し下さい。お待ちしております。

 

白水社

白水社オンライン展示ブースのご案内

https://www.hakusuisha.co.jp/news/n43716.html

書籍の割引販売や教科書見本のご依頼を承ります。

Zoom面談もおこないます。お気軽にお越しください。

(白水社HPhttps://www.hakusuisha.co.jp/

 

(公財)フランス語教育振興協会 APEF

仏検に関するご質問ご相談、あるいは世間話に、お気軽にお立ち寄りください。

10月30日(土)12:00-17:00(担当:滝澤/深川)

https://us02web.zoom.us/j/84571112438?pwd=U2xONGgxazZMM3lsYWlJWnN2eTMvZz09

ミーティングID: 845 7111 2438

パスコード: apef

 

ボンサマ

https://e-studio.work/news/

学会当日はzoomのボンサマ専用ルームでもお待ちしております。(担当 : 河合美和)

 



2021年度春季大会(完全オンライン開催)

2021年度春季大会発表要旨集
(ダウンロードはこちら↓から
発表要旨集2021春季.pdf

■2021年度春季大会・賛助会員展示ルーム(大部屋)

5月22日(土)13:00〜17:00
ミーティングID: 978 2336 8756
パスコード: 554923

5月23日(日)12:00〜16:30
https://zoom.us/j/98008292546?pwd=L0ZiaHR5elM0anNFZ25mTXJGQ3YvZz09
ミーティングID: 980 0829 2546
パスコード: 017398


23日(日)12時から13時、賛助会員展示ルームにおきまして、賛助会員の方々によるミニプレゼンテーションが予定されております。

参加賛助会員一覧
・朝日出版社

・アシェット・ジャポン/Hachette Japon
・アティーナ・プレス
・グロリアツアーズ

・三修社
・三省堂

・駿河台出版社
・第三書房

・白水社

・ボンサマ



 
■賛助会員情報(個別)

・朝日出版社
朝日出版社では、昨年の秋季全国大会同様、展示ブース@Zoomを設けました。
例年のリアル学会大会のブースに立ち寄るつもりで、お気軽にご相談ください。
もちろん後日メールやお電話でお問い合わせも随時承っております
★おすすめ語学書・ZoomURLのご案内はこちら★ 
https://text.asahipress.com/free/french/2021sjllf/2021_p/
【朝日出版社フランス語教科書サイトはこちら】 
https://text.asahipress.com/french/

・アシェット・ジャポン
https://www.hachette-japon.jp/stand2021
アシェット・ジャポンでは、大会期間中専用ブースを用意して皆様をお待ちしております。来てくださった方には、もれなく特製クリアファイルとボールペンをプレゼント! 
ちょっと挨拶でも結構です、ぜひお寄りください! 

・アティーナ・プレス
http://www.athena-press.co.jp/

・グロリアツアーズ
5月22日 https://zoom.us/j/99831591067
フランス渡航の見通し、現地の状況をご説明します。また、オンラインビデオツアー
オンライン留学など、現状でできるモチベーションアップへの取り組みなどご案内します

・三修社
【三修社】オンライン展示ブース
https://www.sanshusha.co.jp/text/info.html#192
※書籍のご購入やテキスト見本,ご採用予定のご連絡等,何でもご相談ください。
学会特別割引もいたしますので,この機会にぜひお立ち寄りください。
(公費書類のご対応もいたします)                                                                   
5/22(土)13:00〜17:00 https://zoom.us/j/99044621437?pwd=ZTlxZlQwU011RTJMcnZkU1JoZEp5Zz09
           ミーティングID: 990 4462 1437/パスコード: 789664
           ミーティングID: 933 7816 3149/パスコード: 704640
 
・三省堂(辞書出版部)
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/sjllf_spring_2021
三省堂の学会特設ページです。人気の『てにをは辞典』ほか、三省堂刊行の書籍が全点2割引きです。

 ・駿河台出版社
ご質問、雑談なんでも結構です。気軽にお越しください。
5月22日 13:00〜17:00
5月23日 10:00〜16:30
https://zoom.us/j/5576587058?pwd=Y25IVW1SbEE1ampZSEFWQWliVDh4QT09
ミーティングID: 557 658 7058
パスコード: surugadai

・第三書房
第三書房オンライブース:https://www.daisan-shobo.co.jp/company/cc2067.html
新刊等の情報を掲載しております。お気軽にお越し下さい。Zoomでの面談も行います。

・白水社
公式HP  https://www.hakusuisha.co.jp/

大会当日は専用ミーティングルームも開設しております。
お気軽にお越しください。お待ちしております。

2020年度秋季大会(完全オンライン開催)

2020年秋季大会のZoomの利用に関するお問い合わせ先のご案内
サポートセンター受付時間
24日(土)は10時~16時(休憩12時~12時30分)
25日(日)は9時45分~16時55分(休憩12時~12時40分)
・お問い合わせメールアドレス:sjllf2020@gmail.com
・お問い合わせ電話番号:(050) 5532-9061  



分科会発表要旨PDF
(ダウンロードはこちら↓から

発表要旨集2020秋季.pdf


===========

2020年度秋季大会賛助会員展示
大会公式賛助会員用Zoomミーティングアドレス(大部屋)

 SJLLF2020年度秋季大会・賛助会員展示のZoom ミーティング

https://zoom.us/j/97905083546?pwd=QS9RemJCVGVFZDNHdzhqYU5OYmVzdz09

ミーティングID: 979 0508 3546

パスコード: 625549

 

参加賛助会員一覧

・アシェット・ジャポン/Hachette Japon

・駿河台出版社

・三修社

・白水社

・第三書房

・三省堂

・ボンサマ

DTP出版

・朝日出版社

・グロリアツアーズ

 

◎賛助会員公式オリジナル特設HP/ミーティングアドレス(大会当日に直接訪問可能)

・アシェット・ジャポン/Hachette Japonhttps://www.hachette-japon.jp/gakkai2020 (リンク先HPZoomアドレスあり) 当日連絡先:mail@hachette-japon.jp

・駿河台出版社:(2412:30-16:15Zoomhttps://zoom.us/j/92361058233?pwd=dlc2amRwbjZxZ1BaWGxCWGVmTklEUT09

            ミーティングID: 923 6105 8233 パスコード:8KHT1j

        (2512:00-15:15Zoomhttps://zoom.us/j/96475836055?pwd=QTNHdjl1TFFLYm9tcWM5ZjZVUXhFdz09

            ミーティングID: 964 7583 6055 パスコード:9yyYGy

・三修社:https://www.sanshusha.co.jp/text/info.html?category=14 (リンク先HPZoomアドレスあり)

・白水社:https://www.hakusuisha.co.jp/news/n37371.html (リンク先HPZoomアドレスあり) 当日連絡先:text@hakusuisha.co.jp

・第三書房:https://www.daisan-shobo.co.jp/company/c1615.html

・三省堂:https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/sjllf_2020

・ボンサマ:https://e-studio.work/news.html

DTP出版:https://bit.ly/2SIvAE4 (Zoom24日(土)12:45-16:15

・朝日出版社:https://text.asahipress.com/free/french/2020sjllf/ (オンライン展示ブース、Zoomミーティングも可能)

・グロリアツアーズ:(24日)https://zoom.us/j/98887703877

            25日)https://zoom.us/j/96934925972

 

大会の記録詳細

2005年5月29日 14時52分 [広報委員会]

2005年度春季大会写真集

美しい立教大学
美しい立教大学
ツタの絡まるチャペル
ツタの絡まるチャペル
懇親会会場「第一食堂」
懇親会会場「第一食堂」
なごやかな懇親会の様子
なごやかな懇親会の様子
壁に白いツルバラ
壁に白いツルバラ


新旧会長副会長
新旧会長副会長
(左より、柏木隆雄前副会長、菅野昭正前会長、
塩川徹也会長、宇佐美斉副会長、吉川一義副会長)

2005年5月29日 14時51分 [広報委員会]

2005年度春季総会報告

ニュース120号(2005.7)より

総務 小倉孝誠

議長 永見文雄  書記 久保田勝一 杉本圭子
◇報告事項

1.会員数
 2005年5月20日現在、会員数は個人1652(普通1538、学生111、名誉3)、賛助28、購読団体は35。
 昨年の同時期に較べて、会員数は100人近く減少した。とりわけ普通会員の落ち込みが大きい。ここ数年、漸減が続いている。会員がこのまま減り続ければ、本学会の活力に影響するし、会員が納める会費がほとんど唯一の収入であるだけに、長期的には学会の運営そのものにも波及しかねない。何らかの理由でみずから意志表明して脱会する会員はいるが、あまり自覚がないまま会費未納ゆえに退会となる会員も少なくない。本学会をとりまく種々の厳しい状況に鑑み、会員諸氏においては、同じフランス語・フランス文学の教育、研究現場で働く同僚、知人、友人などで本学会に未加入の方を、積極的に加入するよう促していただければ幸いである。

2. 幹事会の活動
 2004年秋季大会以降、幹事会は2005年3月30日(水)と、5月7日(土)の二度にわたって開催された。また3月30日には、幹事会の直後に役員会を開催し、おもに学会誌編集方針変更案をめぐって協議した。2月5日(土)には会務を補うために、常任幹事会を開いた。

1)学会誌編集方針の変更について
この件について、昨年秋から本年3月にかけて開催された各支部の運営委員会や支部大会で協議がなされ、支部ごとに意見書を学会事務局に提出してもらった。2005年3月30日の幹事会、および同日の役員会では、それにもとづきながらこの問題をめぐって協議をおこなった。論文査読制に移行することを主眼とし、大会時の口頭発表は義務づけ、編集委員はそれを聴取するが評価は下さない、という当初の編集委員会の案にたいして、北海道支部と関東支部から口頭発表の位置づけが不明確ではないか、また査読制の場合、審査の公開性をどのように担保するのか、という疑問が出された。他の支部はおおむね編集委員会の改革案に賛成の意を表明したが、それでも口頭発表の形骸化をあやぶむ声があったことが幹事会で報告された。
時間の制約もあって幹事会では結論に至らず、直後に開かれた役員会に改革案の検討を持ち越した。その場でもさまざまな意見や提案が出されたが、やはり成案にまでは至らず、幹事会のなかに「小委員会」を設けてあらためて編集方針の変更案を協議することになった。
「小委員会」は4月30日(土)、日仏会館で開催された。委員会の構成メンバーは次の通りである(敬称略):塩川徹也(副会長)、小林茂(関東支部)、高橋純(北海道支部長)、吉田裕(編集委員長)、沖田吉穂(編集委員)、三井吉俊(編集委員)杉本圭子(大会担当常任幹事)、小倉孝誠(幹事長)。吉田編集委員長から提出された、若干の修正を加えた改革案を中心にして議論がなされ、口頭発表と査読の二段階審査をおこなうという基本路線で合意に達した。
この合意にもとづいて、編集委員会は5月7日の幹事会に「学会誌編集方針変更案の大枠」を提出した。幹事会でこれを協議し、細部についてはいくつかの指摘、意見が寄せられたが、大枠そのものは承認された。

2)事務局書記との雇用契約書締結について
2004年10月より、二人の事務局書記はそれぞれ週4日、1日5時間(したがって週20時間)を所定労働時間とする勤務体制に移行した。それまでの週3日制に較べて、書記が二人とも出勤する日が増えたため、学会業務がより円滑に進行するようになった。また所定労働時間が週20時間になったのにともない、労働保険に加入し、保険料は労使が折半している。
これと並行して、給与その他の労働条件を規定した「雇用契約書」を学会側と書記のあいだで締結することになった。事務局書記を雇っているのは幹事会である。契約書の文面は弁護士と相談のうえ常任幹事会で原案を作成し、それを3月30日の幹事会に資料として提出し、幹事長が説明をおこなった。幹事会メンバーに検討してもらった末、雇用契約書は若干の字句修正を施したうえで、5月7日の幹事会で承認された。それをうけて、2005年4月1日に遡り、正式に雇用契約書にもとづく勤務体制に移行した。

3)2006年度科研費補助金の審査委員候補者情報登録について
 日本学術振興会より、「審査委員候補者に関する情報提供の依頼」を受けた。昨年までこの件については、日本学術会議をつうじて学会が候補者を推薦していたが、今年度から日本学術振興会による審査委員選考の方法が変更になり、候補者の「推薦」ではなく、「情報提供」ということになった。それにともない、かつてのような細目、第1段委員候補、第2段委員候補といった区別もなくなった。当学会からは田村毅氏(東京大学)、吉川一義氏(首都大学東京)、松澤和宏氏(名古屋大学)の3氏の情報を提供した。

4)「フランス語コンクール」(東京日仏学院主催)の共催について
東京日仏学院が2005年3月19日に主催した「フランス語コンクール」に際して、学会は「共催」者として参加した。コンクールの趣旨からいって、学会としては今後も積極的に協力していきたい。

5)学会誌の電子図書館サービスについて
本年1月、NII(国立情報学研究所、学術情報センターの事業を引き継ぐ機関)からこの件について問い合わせがあった。このサービスに参加し、当学会の会員・非会員を問わず学会誌のコンテンツを無料で提供することは、すでに1999年度の幹事会、役員会、総会で決定している。ただし、これまでは学会側が学術情報センターに学会誌を渡し、それをセンター側で電子化していたが、来年度からは電子化する作業を学会がすることになる。

◇協議事項

1.2005年度人事が提案され、承認された(別掲記事参照)。
 総会の直前に開かれた予備常任幹事会において、有田英也氏が互選により2005年度幹事長候補に選出されたことが報告され、幹事長を含むすべての人事案件が承認された。その後、有田氏より新幹事長受諾の挨拶があった。

2.2006年度春季大会開催校の件
 杉本圭子大会担当常任幹事より、慶應義塾大学において、同大学の鷲見洋一氏を大会実行委員長として、2006年5月20日(土)、21日(日)の両日にわたって春季大会を開催することが提案され、承認された。それを受けて、鷲見洋一氏より受諾の挨拶があった。

3.2004年度決算の件
 渡辺芳敬会計担当常任幹事より、2004年度本会会計の収支決算報告があり、井田洋二氏の監査報告を経て、承認された。

4.2005年度予算の件
 渡辺芳敬会計担当常任幹事より、2005年度本会会計の予算案が提示され、原案通りに承認された。

5.学会誌編集方針変更の件
この件について、学会誌編集委員長の吉田裕氏が「編集方針変更案の大枠」を提出し、説明を加えた。学会誌への論文掲載に際しては、口頭発表と論文査読という二段階審査を行うというのが変更案の骨子である。協議の結果、原案通り承認された。

◇会長・副会長選挙
5月7日に開催された選挙管理委員会で予備選挙の開票・集計作業を行い、同数得票者がいたためA地域9名、B地域6名の計15名を会長・副会長候補者として決定した。
5月29日の春季大会総会時に本選挙の投票を行い、運営規則にもとづいて厳正に開票・集計作業をすすめた結果、会長には塩川徹也氏が第1回投票で、副会長には吉川一義氏と宇佐美斉氏がそれぞれ第2回投票で、有効投票の過半数を獲得して選出された。

◇学会奨励賞
 本年は学会奨励賞の推薦がなく、したがって選考委員会は開催されなかった。若手の会員の研究を奨励、表彰するために設けられている賞であり、推薦母体は各支部になっている(学会運営規則第2章「学会奨励賞」を参照のこと)。積極的な推薦をお願いしたい。

2005年5月29日 14時51分 [広報委員会]

2005年度春季大会報告

ニュース120号(2005.7)より

総務 小倉孝誠


2005年度春季大会は、5月28日(土)、29日(日)の2日間にわたり、すでに初夏を想わせる天候の中、立教大学・池袋キャンパスにおいて開催された。立教大学において全国大会が開催されるのは、1986年以来19年ぶりのことである。

大会初日は午前に各種委員会と研究会、昼休みをはさんで午後早くに幹事会と役員会が開催されたのに続いて、5号館1階5122教室において、桑瀬章二郎氏(立教大学)の司会により開会式が行われた。大会実行委員長を務める細川哲士氏(立教大学)が開会の辞を述べた後、開催校代表として総長室長の森秀樹教授から、春季大会の開催歓迎のご挨拶をいただいた。これにたいして菅野昭正会長が、前回1986年に立教大学で開催された大会の思い出に触れながら、答礼の辞を述べた。

14時30分から同じ場所で、吉川一義氏(首都大学東京)の司会のもと、Luc Fraisse 氏(ストラスブール第二大学)の《Proust et le nouvel ecrivain》と題する特別講演が行われた。フランスの聡明な大学人がしばしば示してくれる明晰で、説得的な議論は、プルーストを専門としない会員にも分かりやすく、そのエネルギッシュな口調と相俟って聴衆に強い印象を与えた。会場が大きな階段教室であったにもかかわらず、立ち見の会員が出るほどの盛況ぶりで、講演は成功裡に終わった。特別講演の企画と準備にたずさわった方々には、この場を借りて感謝の意を表したい。

15分ほどの休憩をはさんで、ワークショップが開催された。昨年の秋季大会から始まった企画であり、今回は澤田直(白百合女子大学)、岡村民夫(法政大学)、細川哲士の3氏をコーディネータとして、それぞれ「J・P・サルトルと19/20/21世紀文学」、「パリ映像の世紀」、「ラブレーの今日」というテーマで展開された。いずれのワークショップにも数多くの会員が参加し、熱気あふれる雰囲気のなかで発表が行われた。今後もこの企画が継続し、多様なテーマをめぐってパネラーと聴衆のあいだに生産的な意見交換がなされることを期待したい。

懇親会は、通りをはさんで反対側のキャンパスに位置する第一食堂に場所を移して催された。ツタが這う美しい校舎を目にしながら足を踏みいれた会場は、普段は学食として使用されているということだが、どこか修道院の大食堂を想わせるような趣深い建物であった。小倉和子氏(立教大学)の司会のもと、まず細川哲士氏の歓迎の挨拶があり、続いて Luc Fraisse 氏、ならびにフランス大使館文化担当官 Pierre Koest 氏のお二人から、当学会にたいする励ましの言葉を交えた挨拶をいただいた。乾杯の音頭をとったのは、副会長の柏木隆雄氏である。およそ150名の参加者は、楽しく、なごやかな交歓の時を過ごしたのであった。

2日目の午前は、二部に分かれて16の分科会が設けられ、37名の会員が研究発表を行った。今年は例年に較べて、フランス語学、フランス語教育関係の発表が多かったのが特徴である。また20世紀の文学・思想に関する発表が際立って多いのは、数年前から顕著になってきている傾向で、今回もそれが裏づけられた。いずれの分科会も盛会で、活発な質疑応答が繰り広げられた。

昼食をはさんで、13時半から5号館1階5122教室で、永見文雄氏(中央大学)を議長に総会が始まった。まず会長・副会長の予備選挙の開票結果が選挙管理委員会から報告され、議事と並行して本選挙の投・開票が行われた。その結果、会長には塩川徹也氏、副会長には吉川一義氏と宇佐美斉氏が選出され、それぞれ受諾の挨拶をされた(別掲報告参照)。幹事長(小倉)の不手際を巧みに修正しつつ議事を進行させてくれた永見議長のゆとりある司会ぶりのおかげで、すべての議事はつつがなく終了した。

その後、首都大学東京の大久保康明氏が、旧都立大学問題をめぐる現在までの経緯を報告した。旧都立大学の人文学部改編について、本学会は会長名による「要望書」を2004年1月29日付けで、東京都知事と文部科学大臣に送達している。事は一大学の改編にとどまることではなく、わが国における人文科学系諸学問の存立自体にかかわる、という判断にもとづいての行動であった。当事者である教員諸氏の希望に添わないかたちで、本年4月から新たに首都大学東京が始動したが、本学会としては今後の推移を注意深く見守りたい。

総会終了後、ただちに閉会式に移った。菅野会長が開催校と関係者に謝辞を述べたのに続いて、立教大学の権寧氏の閉会の辞によって、本大会は無事その幕を閉じたのである。参加者総数は580名であった。

近年進行している大学・カリキュラム改革、法科大学院の発足などにより、私立大学では土曜日に授業が組まれることが多く、学会の会場となる教室を確保するのはけっして容易ではない。そのように困難な事情の中、大会を見事な成功へと導いてくださった大会実行委員長細川哲士氏、ならびに立教大学のスタッフの方々にはあらためて深い謝意を表する次第である。また、大会の準備を綿密に進めてくれた事務局書記の丸山理絵さんと漆原みゆきさん、ならびにこの1年間いわば同志として学会運営の仕事にたずさわってきた常任幹事の諸氏にも、この場を借りて深い感謝の念を表明したい。

2005年5月28日 15時24分 [広報委員会]

ラブレーの今日

2005年度春季大会 ワークショップ(3)

ラブレーの今日
パネリスト



 細川哲士(立教大学)
 宮下志朗(東京大学)
 荻野安奈(慶應義塾大学)
 平野隆文(青山学院大学)





ワークショップ「ラブレーの今日」は、待望久しい新訳を出した、ラブレーのパラテクスト研究でおなじみの宮下志朗さん、16世紀の稀書を読み込み、テクスト批判の第一線にある平野隆文さん、ラブレーのテクストの今日を生き・粋なものにしようとする荻野安奈さんの、三つ巴の競演で、しばし、100名近い参加者を、沸かせた。

まず、宮下さんは、自分の翻訳で何を心がけたかを語った。学生には難しすぎる渡辺一夫訳に対して、①わかりやすく、漢字にたよらない。②原文のラテン語をカタカナで訳さない。③「~と言った」を省略したところもある。④デアル調にデスマス調をまぜた。⑤注を、本文を読むための補助と考えて、割り注と、(ページの終わりの)小口注とを使った。⑥地図・年表を入れた。そして、その結果がどうなったかを示す具体例として、「作者の序詞/前口上」の渡辺訳と宮下訳を読み比べて、皆をうならせた。

平野さんは、周到に用意されたビッシリ4ページのハンドアウトを使って、お得意の分野を披露された。平野さんは自分をラブレー研究にいざなったマイクル・スクリーチの『ラブレー』を目下訳出中だが、同書の悪魔解釈に矛盾を発見し、この機会に自説を開陳された。かねてよりパンタグリュエルとの対比でパニュルジュをどう評価するかは諸説わかれるところであったが、スクリーチの言うように「自己愛にとらわれたパニュルジュというとき、自己愛とは倫理的に間違っているということではなく、悪魔がすみついているということだ」つまりパニュルジュに悪魔が憑依しているとみなすと、解決不能の問題にいきついてしまう。だが同時代の文献から、悪魔の取り付きには3段階があり、軽いものはSEDUCTION(悪魔は外部)、ついでOBSESSION(悪魔は人体に侵入するが、人格は保たれる)、そしてPOSSESSION(人格も失われる)となることが分かり、パニュルジュの場合、第一の段階にあるとテクストも明示するように、これは憑依ではありえない。悪魔が悪魔を追い払うことはおかしいからである、と述べ、なるほどと思わせた。

荻野さんは、若い研究者がスクリーチのユマニスト・ラブレーとバフチンの民衆文化のラブレーのあいだで悩むことがあるが、ラブレーのテクストの言霊・作品そのものの力に触れてみることが大事だ、これまで物量作戦的列挙だと思ってきたものが、そうでなく、テクストそのものが面白い構成と内容をもっていることを、昨年、上野鈴本で発見したという。金原亭馬生師匠と兄弟子の馬吉さんによって、ジャン修道士とパニュルジュの掛け合いが再現、第三の書のふぐりの列挙を語ってもらう機会に出会ったときだ。(これは金原亭馬吉さんのご好意により会場でその録音を拝聴することができた)これに加え、荻野さんは①落語とフランス文学、ラブレーが小学生にバカうけすること、②院生をよろこばせずにはおかないフランスのラブレー新作絵本2点紹介のあと、③アンナ試訳ラブレーの失敗談、こっけいはナマモノなのですぐナマゴミになってしまう例などを、金原亭駒ん奈さんとして語ってくださり、最後に④ラブレーを中心軸にすえて、文学史を読むことのおもしろさの一端を披露された。荻野さんは『マダム・ボヴァリー』の一節に、異なるモードのあいだに並存する、おもしろ/まじめ、がレトリカルにいれかわるシーンを発見する。妻の死と子供の出生にたちあうガルガンチュアの場面を、ロドルフとエンマのあいびきの場面に重ねてみる。そこでは農業品評会の授与式のアナウンスの声と、恋人同士のやりとりが、なるほど奇妙に交錯しているではないか。目からうろこの指摘であった。

(みなさんに感謝:細川哲士)

2005年5月28日 15時20分 [広報委員会]

パリ映像の世紀

2005年度春季大会 ワークショップ(2)

パリ映像の世紀
パネリスト


 岡村民夫(法政大学)
 今橋映子(東京大学)
 谷昌親(早稲田大学)




20世紀におけるパリの視覚的表現のあり方をめぐって、言語表現との関係を考慮しながら三つの発表がなされた。

まず今橋映子氏による「<パリ写真>とは何か」。<パリ写真>を「パリとパリ人を主題とするストレート写真」と定義し、外国人写真家の活躍、写真集の重要性、モダニズムおよびシュルレアリスムの影響などを説明き、最後に、1980年代以降<パリ写真>がフランスの文化行政と大量消費の対象となった結果、皮肉にも衰退してしまうという問題を指摘した。




つづいて谷昌親氏による「シュルレアリスムにおけるパリの視覚的表象」。ブルトン、スーポー、アラゴン、バタイユ等が、写真、映画、都市についてどのような見方をしていたかを豊富な引用によって紹介し、オートマチスム、通常の知覚を超えた知覚の探求、「痙攣的な美」の概念、パサージュへの関心などが、写真や映画の諸傾向と呼応することを説いた。

最後に、コーディネータの岡村民夫による「ゴダールはパリを愛しているか」。撮影所の外に広がるノイズとして「パリ」を発見したヌーヴェル・ヴァーグ監督のゴダールは、叙情性を振り捨てるべく1965年頃「パリ別れ」を敢行したと説いたうえで、彼の『愛の世紀』(2001)を「アルシーヴ」としてのパリの再発見と位置づけ、さらに郊外の再開発問題と関連づけた。

パネリストごとに写真や映画がプロジェクトされ、非常にヴィジュアルなワークショップとなったと自己評価するが、その半面、発表に時間がかかり質疑応答の時間が短くなってしまった点を反省する。(岡村)

2005年5月28日 15時17分 [広報委員会]

J・P・サルトルと19/20/21世紀文学

2005年度春季大会 ワークショップ(1)

J・P・サルトルと19/20/21世紀文学 ─ 驚異、贈与、倫理
パネリスト


 澤田直(白百合女子大学)
 若森栄樹(獨協大学)
 永井敦子(上智大学)





 サルトル生誕100年にあたり、批評家としてのサルトルに焦点を絞り、その射程を討議するワークショップを行った。サルトルはカミュをはじめとする同時代の作家について多くの評論を発表したのみならず、フローベール、マラルメといった19世紀の作家にもひとかたならぬ関心を寄せて、本格的な論考を書いた。その一方で、アンガジュマンの思想は、ポストコロニアル批評に見られる倫理性に大きな影響を与えた。にもかかわらず、批評家サルトルに関する検証はこれまで主題的には行われてこなかった。ワークショップのタイトルを「J・P・サルトルと19/20/21世紀文学--驚異、贈与、倫理」とやや大風呂敷を広げた感じで、名づけた所以である。

 コーディネータ澤田直が、まずサルトルの批評作品を分類整理して紹介し、主要な作品の位置づけに関する見取り図を描いたあと、『文学とは何か』と『フローベール論』について、読書論の観点からコメントをつけた。それにつづいて、若森栄樹さんが『ユダヤ人問題に関する考察』を文学的観点からレクチャーし、驚異、贈与の問題と連関させつつコメントを寄せた。その後、永井敦子さんが、ジャコメッティ論をはじめとするサルトルの美術評論全体の見取り図をていねいに描いた後、シュルレアリスムとの関係にもふれつつ、サルトルの美術批評の知られざる側面などを紹介した。以上のそれぞれ25分程度のパネラーの提言が終わったあと、3人が補足的な発言を行い、引き続き、会場も含めた全体討論に移った。フロアからは、ユダヤ人問題とサルトルの関係、倫理と道徳の差異、サルトルとシュルレアリスムの接点、サルトルの政治思想の現在性など多岐にわたる質問や多くのコメントが寄せられ、たいへん活発なワークショップとなった。百人近い参加者を得て、サルトル健在なりという思いを新たにするセッションであった。(澤田) 

2005年5月28日 15時14分 [広報委員会]

Proust et le nouvel écrivain

2005年度春季大会講演

Proust et nouvel écrivain

Luc FRAISSE教授
Universite de Strasbourg Ⅱ
司会 吉川一義(首都大学東京)

ストラスブール大学教授リュック・フレース氏は、本会推薦によるフランス政府文化使節として5月26日から6月5日にかけて来日し、東京、名古屋、京都で、氏が専門とするプルーストに関する一連の講演をした。「プルーストと新しい作家」と題する本講演はそのひとつで、独創的な芸術家の出現による世界をみる目の更新というプルーストの芸術史観に、あらたな文学史の可能性を見出そうとする試みであった。

 講演の出発点は、『失われた時を求めて』の第4篇「ゲルマントのほう」に出てくる「新しい作家」をめぐる一節である。主人公の愛読していた作家ベルゴットの小説に新鮮味がなくなると、一部の文学通のあいだで新奇な表現の作家(ジロドゥーがモデル)がもてはやされるようになる。このように「世界は独創的な芸術家の出現のたびに再創造される」のだが、その新しいヴィジョンはかなりの「時間」をへて世間に認知され、その後、いつしか新鮮味を失い、さらにべつの新たな芸術家の出現をみるという(プレイヤッド版第2巻622-623ページ)。

 ここでプルーストは、われわれの世界をみる目の更新を説明するため、印象派画家ルノワールの受容史をふり返ったり、新たな作品がもたらすヴィジョンを眼科医の治療にたとえたりしている。フレス教授法は、この一節を伝統的な「テキスト分析」の手法でくわしく解説したうえで、このような芸術史観をあらたな文学史の出発点にできないかという問題提起をした。ヌーヴェル・クリティックは、作品創造過程とその日付にもとづく文学史を批判したが、プルーストの芸術史観は作品受容をめぐるべつの文学史の可能性を示唆するというのである。

 興味ぶかい講演であっただけに、ヴィジョンの更新を「進化」ないし「進歩」と考えるべきか否かなど、会員からの質問を受ける時間がなかったのが惜しまれる。(吉川)

2005年5月28日 13時54分 [広報委員会]

ワークショップレジュメ

ワークショップへのご案内
2005年5月28日(土) 15:45~17:45


(1) J・P・サルトルと19/20/21世紀文学 ─ 驚異、贈与、倫理    5124教室

パネリスト:澤田直(コーディネーター)・若森栄樹・永井敦子
 サルトル生誕100年にあたり、本ワークショップでは、批評家としてのサルトルに焦点を絞り、その射程を討議することにしたい。サルトルはカミュをはじめ同時代の作家について多くの評論を発表したのみならず、フローベール、マラルメといった19世紀の作家にもひとかたならぬ関心を寄せ、論考を書いている。また、アンガジュマンの思想は、ポストコロニアル批評に見られる倫理性に大きな影響を与えている。ところが、時代を超えた検証はこれまで主題的には行われてこなかった。
 サルトルを中心に研究しているコーディネータ澤田が批評家サルトルの位置づけに関する見取り図を描いたあと、若森さんに『マラルメ論』との関係から、贈与、倫理といった問題について触れていただき、永井さんにはシュルレアリスムとの関係を、『文学とは何か』や美術批評などにも触れながら提起していただく予定。フロアも含めて活発な討論を行いたいと考えている。

(2)パリ映像の世紀   5125教室

パネリスト:岡村民夫(コーディネーター)・今橋映子・谷昌親
 映像(写真、映画)による20世紀のパリの表象という基本テーマは、必然的に文学のステイタスの問いなおしを含む。写真家や映画監督と文学者とのあいだには、密接な相互触発があった。またそもそも、映像表現と単純に呼ばれている事柄のうちには、タイトル、キャプション、字幕、セリフ、看板、落書きなど多様な言表が複雑に混入している。既成の専門研究間の垣根のせいでこうした猥雑で豊穣な交錯が軽視されてきたのは、不幸なことではないだろうか。今橋映子は「パリ写真」というコンセプトの導入により、谷昌親はシュルレアリストとパリの関係の再検討により、岡村民夫はゴダールのパリ回帰の分析により、不毛な分断に抵抗するだろう。その結果、パネラーやオーディエンスのあいだに、メディアやジャンルや時代の違いを越えた応答が展開すれば、本ワークショップは成功といえる。なぜなら、思いがけない横断的交錯(モンタージュ)こそ「パリ」に酷似しているから。

(3)ラブレーの今日    5121教室

パネリスト:細川哲士(コーディネーター)・宮下志朗・荻野安奈・平野隆文
 今年の初めとうとう宮下志朗による新訳『ガルガンチュアとパンタグリュエル』の刊行がはじまった。渡辺一夫訳の完成以来40余年ぶりの快挙である。これからは、いつの間にか別の時代の言葉で語られ、クラシックな教養でかためられ、取り付きにくいものとなってしまった訳本を、本当は名訳なのだがと、つぶやきながら、学生たちに勧めて、感ずるうしろめたさが全国的に軽減されるようになるだろう。
 これを機に、日ごろ教室で若い世代の人々とともにラブレーを読んでいるラブレジアンの前衛に3名集まっていただいて、それぞれの視点から、ラブレーの今日について語ってもらう機会をもうけた。語る主題を何にするかは、各人にまるなげしてある。

2004年10月3日 14時48分 [広報委員会]

文化装置としての書物:文学研究の内と外

2004年度秋季大会 シンポジウム

文化装置としての書物:文学研究の内と外

司会
パネリスト


 月村辰雄(東京大学)
 鷲見洋一(慶應義塾大学)
 長谷川輝夫(上智大学)
 宮下志朗(東京大学)


 


 文学研究は現在、もっぱらテクスト分析を通して遂行されているが、そのテクストを載せる書物それ自体を手がかりとして文学研究は可能であるか、また可能であるならそれはどのような形をとり、どのような成果をもたらすかをテーマとして、長谷川輝夫(上智大学・フランス史)、鷲見洋一(慶応義塾大学・18世紀文学)、宮下志朗(東京大学・16世紀文学)、月村辰雄(司会・東京大学・中世文学)の4名が意見を展開した。
 
 まず、このシンポジウムの発想の源となったアナ―ル派の歴史学による「書物の社会史」の、ある時代の書物の生産(つまり出版)・流通・消費(つまり読書)の総体を、各種の統計資料を駆使しながら明らかにするという目的と方法が概観された。その際、統計的数値の取り扱いをめぐっては、19世紀のキャビネ・ド・レクチュールの目録や19世紀小説の話体の研究を例として、文学研究の観点からの疑義が提示された。つまり、それぞれの書物を一個の数値に還元してしまうと、個人レベルの読書の内実を探ったり、影響力の大きい傑作と大多数の駄作とを識別したりという、作品の質の問題を取りこぼしてしまうことになる。しかし「書物の社会史」は大づかみな集団の歴史を捉える点では有効であって、個人の才能よりは集団的感性が問題となる革命以前の文学と書物を研究する際には、とりわけ効力を発揮する。

 ここから議論の焦点は革命以前の文学を研究する上での書物史研究の重要性へと移ることになるが、たとえば19世紀において、作品は前代までのテクストをそのまま繰り返して継承する集団的な記憶装置としての側面が強く、とりわけ百科全書などは、そこに挿入された挿絵などを含めて、文化の総体を盛り込んで継承する装置であった。個々のテクストだけ取り出して検討しても意味がなく、一冊の書物の全体性が問題となる。同じように中世の図書館やルネサンス期の出版業も、個々の作品を取り出して検討してもさしたる研究成果には結びつかず、そこに集められ、そこで刊行された書物の多数性そのものの検討を通して、はじめてその時代の集団的な読書文化が把握される。テクスト分析による文学研究が才能と傑作を対象とする様式史に向かうのに対して、こうした「書物の社会史」的研究は文学の集団的受容史に向かうといえるであろう。(月村)

2004年10月3日 14時45分 [広報委員会]

「ソーカル事件」を考える

2004年度秋季大会 ワークショップ(3)

「ソーカル事件」を考える
パネリスト


 高橋純(小樽商科大学)
 大平具彦(北海道大学)
 赤羽研三(上智大学)

    


 パロディ論文の捏造に始まって、ポストモダン思想における一知半解の科学的概念の濫用の実態を暴いたとされる「ソーカル事件」を取り上げたこのワークショップは、特定のテーマに基づく研究成果を検討しあうことを目的としたものではなかった。また、誰が悪ふざけの張本人かと問いかけはしたが、これもまた犯人探しを目的としたものではない。

 これはオール・オア・ナッシングで割り切れる問題ではない。公平に見てソーカル側からの告発はどれくらい当たっているのかという率直な疑問がある。ワークショップの意図するところは、この素朴な疑問に根拠を与えることであったと言えよう。大平は、「事件」の遠因をフランス的(実はローカル)な独自の思考スタイルに観取して、これをグローバルな地平で相対化してみる必要性を示唆した。赤羽は、メタファーの理論に基づいて、メタファーとして用いられる科学的概念の中に何を読み取ろうとするかという姿勢が「事件」の当事者間で異なってしまっている点に両者の断絶を指摘した。高橋は、情動性を対象としうるか否かに哲学と科学の知の根本的な相違を指摘して、そうした異質な領域での説明手段として援用される科学的概念の必然性・有効性に疑問を呈した。

 諸学が固有の領域で現実に向き合うとき、見据える対象の違いがそれぞれの学の間に境界を作り出しているように見える。「ソーカル事件」はこの境界を不用意に越えようとすることへの警告であるとも受け取られようが、これはまた、「二つの文化」のより深いレベルでの対話を模索する必要性を悟らせてくれるものであることを、ワークショップ参加者と共に確認できたと考える。(高橋)