2005年度春季総会報告
ニュース120号(2005.7)より
総務 小倉孝誠 |
議長 永見文雄 書記 久保田勝一 杉本圭子 |
◇報告事項 1.会員数 2005年5月20日現在、会員数は個人1652(普通1538、学生111、名誉3)、賛助28、購読団体は35。 昨年の同時期に較べて、会員数は100人近く減少した。とりわけ普通会員の落ち込みが大きい。ここ数年、漸減が続いている。会員がこのまま減り続ければ、本学会の活力に影響するし、会員が納める会費がほとんど唯一の収入であるだけに、長期的には学会の運営そのものにも波及しかねない。何らかの理由でみずから意志表明して脱会する会員はいるが、あまり自覚がないまま会費未納ゆえに退会となる会員も少なくない。本学会をとりまく種々の厳しい状況に鑑み、会員諸氏においては、同じフランス語・フランス文学の教育、研究現場で働く同僚、知人、友人などで本学会に未加入の方を、積極的に加入するよう促していただければ幸いである。 2. 幹事会の活動 2004年秋季大会以降、幹事会は2005年3月30日(水)と、5月7日(土)の二度にわたって開催された。また3月30日には、幹事会の直後に役員会を開催し、おもに学会誌編集方針変更案をめぐって協議した。2月5日(土)には会務を補うために、常任幹事会を開いた。 1)学会誌編集方針の変更について この件について、昨年秋から本年3月にかけて開催された各支部の運営委員会や支部大会で協議がなされ、支部ごとに意見書を学会事務局に提出してもらった。2005年3月30日の幹事会、および同日の役員会では、それにもとづきながらこの問題をめぐって協議をおこなった。論文査読制に移行することを主眼とし、大会時の口頭発表は義務づけ、編集委員はそれを聴取するが評価は下さない、という当初の編集委員会の案にたいして、北海道支部と関東支部から口頭発表の位置づけが不明確ではないか、また査読制の場合、審査の公開性をどのように担保するのか、という疑問が出された。他の支部はおおむね編集委員会の改革案に賛成の意を表明したが、それでも口頭発表の形骸化をあやぶむ声があったことが幹事会で報告された。 時間の制約もあって幹事会では結論に至らず、直後に開かれた役員会に改革案の検討を持ち越した。その場でもさまざまな意見や提案が出されたが、やはり成案にまでは至らず、幹事会のなかに「小委員会」を設けてあらためて編集方針の変更案を協議することになった。 「小委員会」は4月30日(土)、日仏会館で開催された。委員会の構成メンバーは次の通りである(敬称略):塩川徹也(副会長)、小林茂(関東支部)、高橋純(北海道支部長)、吉田裕(編集委員長)、沖田吉穂(編集委員)、三井吉俊(編集委員)杉本圭子(大会担当常任幹事)、小倉孝誠(幹事長)。吉田編集委員長から提出された、若干の修正を加えた改革案を中心にして議論がなされ、口頭発表と査読の二段階審査をおこなうという基本路線で合意に達した。 この合意にもとづいて、編集委員会は5月7日の幹事会に「学会誌編集方針変更案の大枠」を提出した。幹事会でこれを協議し、細部についてはいくつかの指摘、意見が寄せられたが、大枠そのものは承認された。 2)事務局書記との雇用契約書締結について 2004年10月より、二人の事務局書記はそれぞれ週4日、1日5時間(したがって週20時間)を所定労働時間とする勤務体制に移行した。それまでの週3日制に較べて、書記が二人とも出勤する日が増えたため、学会業務がより円滑に進行するようになった。また所定労働時間が週20時間になったのにともない、労働保険に加入し、保険料は労使が折半している。 これと並行して、給与その他の労働条件を規定した「雇用契約書」を学会側と書記のあいだで締結することになった。事務局書記を雇っているのは幹事会である。契約書の文面は弁護士と相談のうえ常任幹事会で原案を作成し、それを3月30日の幹事会に資料として提出し、幹事長が説明をおこなった。幹事会メンバーに検討してもらった末、雇用契約書は若干の字句修正を施したうえで、5月7日の幹事会で承認された。それをうけて、2005年4月1日に遡り、正式に雇用契約書にもとづく勤務体制に移行した。 3)2006年度科研費補助金の審査委員候補者情報登録について 日本学術振興会より、「審査委員候補者に関する情報提供の依頼」を受けた。昨年までこの件については、日本学術会議をつうじて学会が候補者を推薦していたが、今年度から日本学術振興会による審査委員選考の方法が変更になり、候補者の「推薦」ではなく、「情報提供」ということになった。それにともない、かつてのような細目、第1段委員候補、第2段委員候補といった区別もなくなった。当学会からは田村毅氏(東京大学)、吉川一義氏(首都大学東京)、松澤和宏氏(名古屋大学)の3氏の情報を提供した。 4)「フランス語コンクール」(東京日仏学院主催)の共催について 東京日仏学院が2005年3月19日に主催した「フランス語コンクール」に際して、学会は「共催」者として参加した。コンクールの趣旨からいって、学会としては今後も積極的に協力していきたい。 5)学会誌の電子図書館サービスについて 本年1月、NII(国立情報学研究所、学術情報センターの事業を引き継ぐ機関)からこの件について問い合わせがあった。このサービスに参加し、当学会の会員・非会員を問わず学会誌のコンテンツを無料で提供することは、すでに1999年度の幹事会、役員会、総会で決定している。ただし、これまでは学会側が学術情報センターに学会誌を渡し、それをセンター側で電子化していたが、来年度からは電子化する作業を学会がすることになる。 ◇協議事項 1.2005年度人事が提案され、承認された(別掲記事参照)。 総会の直前に開かれた予備常任幹事会において、有田英也氏が互選により2005年度幹事長候補に選出されたことが報告され、幹事長を含むすべての人事案件が承認された。その後、有田氏より新幹事長受諾の挨拶があった。 2.2006年度春季大会開催校の件 杉本圭子大会担当常任幹事より、慶應義塾大学において、同大学の鷲見洋一氏を大会実行委員長として、2006年5月20日(土)、21日(日)の両日にわたって春季大会を開催することが提案され、承認された。それを受けて、鷲見洋一氏より受諾の挨拶があった。 3.2004年度決算の件 渡辺芳敬会計担当常任幹事より、2004年度本会会計の収支決算報告があり、井田洋二氏の監査報告を経て、承認された。 4.2005年度予算の件 渡辺芳敬会計担当常任幹事より、2005年度本会会計の予算案が提示され、原案通りに承認された。 5.学会誌編集方針変更の件 この件について、学会誌編集委員長の吉田裕氏が「編集方針変更案の大枠」を提出し、説明を加えた。学会誌への論文掲載に際しては、口頭発表と論文査読という二段階審査を行うというのが変更案の骨子である。協議の結果、原案通り承認された。 ◇会長・副会長選挙 5月7日に開催された選挙管理委員会で予備選挙の開票・集計作業を行い、同数得票者がいたためA地域9名、B地域6名の計15名を会長・副会長候補者として決定した。 5月29日の春季大会総会時に本選挙の投票を行い、運営規則にもとづいて厳正に開票・集計作業をすすめた結果、会長には塩川徹也氏が第1回投票で、副会長には吉川一義氏と宇佐美斉氏がそれぞれ第2回投票で、有効投票の過半数を獲得して選出された。 ◇学会奨励賞 本年は学会奨励賞の推薦がなく、したがって選考委員会は開催されなかった。若手の会員の研究を奨励、表彰するために設けられている賞であり、推薦母体は各支部になっている(学会運営規則第2章「学会奨励賞」を参照のこと)。積極的な推薦をお願いしたい。 |