大会(Congrès)

全国大会を年2回開催しています。    
La SJLLF organise deux congrès par an.

大会カレンダー

選択すると自動的に並び順を変更します。
タイトル
2024年度春季大会(Congrès de printemps 2024)
会場

明治大学・駿河台キャンパス(東京都千代田区)

大会実行委員長
谷口亜沙子
開催日
2024年6月1日(土)、2日(日)
連絡先

学会事務局SJLLF

大会案内

大会の記録(Historique des Congrès)

下の記事で、過去の大会について調べられます。一部未入力。Archives des congrès (1997- )

2021年度秋季大会(完全オンライン開催)

2021年度秋季大会発表要旨集


■2021年度春季大会・賛助会員展示ルーム

*大会両日にわたって、通常の賛助会員展示部屋にかえて、賛助会員展示用特設ミーティングルームを用意しております。以下にアクセスして頂けば、賛助会員の方々を訪問することができます。

 参加賛助会員一覧
 朝日出版社
 アシェット・ジャポン
 アティーナ・プレス
 グロリアツアーズ
 三修社
 駿河台出版社
 第三書房
 白水社
 フランス語教育振興協会 APEF
 ボンサマ

 

■2021年度秋季大会・賛助会員展示ルーム(大部屋)

10月30日(土)13:0017:00

 

https://zoom.us/j/91518041935?pwd=L1ZITzdXQUNmT0x6K25MVFgrYzhSZz09

ミーティングID: 915 1804 1935

パスコード: 392311

 

10月31日(日)12:0016:40

 

https://zoom.us/j/98174029250?pwd=S3V3cnBIQTJFRFAvc21QaXIwT3Rhdz09

ミーティングID: 981 7402 9250

パスコード: 978683

 


賛助会員情報(個別)

朝日出版社

朝日出版社ではZoomでのオンラインブースのほか、学会期間限定「新刊テキスト見本デジタル版」などをご用意いたしております。ぜひ下記HPからお気軽にお立ちよりください。

【朝日出版社 日本フランス語フランス文学会秋季大会特設HP

https://text.asahipress.com/free/french/2021sjllf/index.html

 

アシェット・ジャポン

【アシェット・ジャポン特設ページ】
個別ブースや新刊情報、献本依頼フォーム等をご用意しています!
https://www.hachette-japon.jp/gakkai2021
雑談やご質問など、何でもどうぞ!
ブースでお待ちしています。

 

アティーナ・プレス

http://www.athena-press.co.jp/french.html

http://www.athena-press.co.jp/catalogues/fr/French%20Department%20Store%20Catalogues,%20Pt.%201.pdf

http://www.athena-press.co.jp/catalogues/fr/Nouveau%20Paris%201860.pdf

http://www.athena-press.co.jp/catalogues/fr/Octave%20Uzanne%20(FS7-9).pdf

 

グロリアツアーズ

フランスオンライン留学

現地スタッフによるライブ・ビデオによるフランスオンライン文化ツアー

フランス留学情報

10月30日 13時~17時 https://us06web.zoom.us/j/89088211915

10月31日 13時~15時 https://us06web.zoom.us/j/83001360099

 

三修社

三修社オンライン展示ブースのURLは以下です。

https://www.sanshusha.co.jp/text/info.html#227

上記には、フランス語教科書カタログ2022(デジタル版)も掲載。

2022年度用新刊教科書には、好評既刊の新版『ヴレマン? 文法を深めながら発見するフランス14章[第2版]』(Liliane LATTANZIO/澤田直 共著)がございます。

ぜひ見本請求等お気軽にお申しつけください。

【日本フランス語フランス文学会2021年秋季大会 オンラインブースのご案内】

10/30(土)

時間:12:00-17:30

https://us06web.zoom.us/j/88615114609?pwd=alg3ZnZPTmhCMUIyQlBjMUNaTGdmdz09

ミーティングID: 886 1511 4609

パスコード: 053876

10/31(日)

時間:12:00-15:30

https://us06web.zoom.us/j/82590322421?pwd=dmNDdjFXKzloRU83cm1BNm9aQ2JOZz09

ミーティングID: 825 9032 2421

パスコード: 146397

 

駿河台出版社

【駿河台出版社 Zoomオンラインブース(上野名保子・上野大介)】

ご質問、雑談なんでも結構です。気軽にお越しください。

10月30日(土) 12:30-17:15

10月31日(日) 10:30-15:10

https://zoom.us/j/5576587058?pwd=Y25IVW1SbEE1ampZSEFWQWliVDh4QT09

ミーティングID: 557 658 7058

パスコード: surugadai

 

第三書房

第三書房オンライブース:

https://www.daisan-shobo.co.jp/company/c1615.html

新刊等の情報をご紹介しております。ご質問、ご相談、雑談など、弊社ミーティングルームへ、お気軽にお越し下さい。お待ちしております。

 

白水社

白水社オンライン展示ブースのご案内

https://www.hakusuisha.co.jp/news/n43716.html

書籍の割引販売や教科書見本のご依頼を承ります。

Zoom面談もおこないます。お気軽にお越しください。

(白水社HPhttps://www.hakusuisha.co.jp/

 

(公財)フランス語教育振興協会 APEF

仏検に関するご質問ご相談、あるいは世間話に、お気軽にお立ち寄りください。

10月30日(土)12:00-17:00(担当:滝澤/深川)

https://us02web.zoom.us/j/84571112438?pwd=U2xONGgxazZMM3lsYWlJWnN2eTMvZz09

ミーティングID: 845 7111 2438

パスコード: apef

 

ボンサマ

https://e-studio.work/news/

学会当日はzoomのボンサマ専用ルームでもお待ちしております。(担当 : 河合美和)

 



2021年度春季大会(完全オンライン開催)

2021年度春季大会発表要旨集
(ダウンロードはこちら↓から
発表要旨集2021春季.pdf

■2021年度春季大会・賛助会員展示ルーム(大部屋)

5月22日(土)13:00〜17:00
ミーティングID: 978 2336 8756
パスコード: 554923

5月23日(日)12:00〜16:30
https://zoom.us/j/98008292546?pwd=L0ZiaHR5elM0anNFZ25mTXJGQ3YvZz09
ミーティングID: 980 0829 2546
パスコード: 017398


23日(日)12時から13時、賛助会員展示ルームにおきまして、賛助会員の方々によるミニプレゼンテーションが予定されております。

参加賛助会員一覧
・朝日出版社

・アシェット・ジャポン/Hachette Japon
・アティーナ・プレス
・グロリアツアーズ

・三修社
・三省堂

・駿河台出版社
・第三書房

・白水社

・ボンサマ



 
■賛助会員情報(個別)

・朝日出版社
朝日出版社では、昨年の秋季全国大会同様、展示ブース@Zoomを設けました。
例年のリアル学会大会のブースに立ち寄るつもりで、お気軽にご相談ください。
もちろん後日メールやお電話でお問い合わせも随時承っております
★おすすめ語学書・ZoomURLのご案内はこちら★ 
https://text.asahipress.com/free/french/2021sjllf/2021_p/
【朝日出版社フランス語教科書サイトはこちら】 
https://text.asahipress.com/french/

・アシェット・ジャポン
https://www.hachette-japon.jp/stand2021
アシェット・ジャポンでは、大会期間中専用ブースを用意して皆様をお待ちしております。来てくださった方には、もれなく特製クリアファイルとボールペンをプレゼント! 
ちょっと挨拶でも結構です、ぜひお寄りください! 

・アティーナ・プレス
http://www.athena-press.co.jp/

・グロリアツアーズ
5月22日 https://zoom.us/j/99831591067
フランス渡航の見通し、現地の状況をご説明します。また、オンラインビデオツアー
オンライン留学など、現状でできるモチベーションアップへの取り組みなどご案内します

・三修社
【三修社】オンライン展示ブース
https://www.sanshusha.co.jp/text/info.html#192
※書籍のご購入やテキスト見本,ご採用予定のご連絡等,何でもご相談ください。
学会特別割引もいたしますので,この機会にぜひお立ち寄りください。
(公費書類のご対応もいたします)                                                                   
5/22(土)13:00〜17:00 https://zoom.us/j/99044621437?pwd=ZTlxZlQwU011RTJMcnZkU1JoZEp5Zz09
           ミーティングID: 990 4462 1437/パスコード: 789664
           ミーティングID: 933 7816 3149/パスコード: 704640
 
・三省堂(辞書出版部)
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/sjllf_spring_2021
三省堂の学会特設ページです。人気の『てにをは辞典』ほか、三省堂刊行の書籍が全点2割引きです。

 ・駿河台出版社
ご質問、雑談なんでも結構です。気軽にお越しください。
5月22日 13:00〜17:00
5月23日 10:00〜16:30
https://zoom.us/j/5576587058?pwd=Y25IVW1SbEE1ampZSEFWQWliVDh4QT09
ミーティングID: 557 658 7058
パスコード: surugadai

・第三書房
第三書房オンライブース:https://www.daisan-shobo.co.jp/company/cc2067.html
新刊等の情報を掲載しております。お気軽にお越し下さい。Zoomでの面談も行います。

・白水社
公式HP  https://www.hakusuisha.co.jp/

大会当日は専用ミーティングルームも開設しております。
お気軽にお越しください。お待ちしております。

2020年度秋季大会(完全オンライン開催)

2020年秋季大会のZoomの利用に関するお問い合わせ先のご案内
サポートセンター受付時間
24日(土)は10時~16時(休憩12時~12時30分)
25日(日)は9時45分~16時55分(休憩12時~12時40分)
・お問い合わせメールアドレス:sjllf2020@gmail.com
・お問い合わせ電話番号:(050) 5532-9061  



分科会発表要旨PDF
(ダウンロードはこちら↓から

発表要旨集2020秋季.pdf


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2020年度秋季大会賛助会員展示
大会公式賛助会員用Zoomミーティングアドレス(大部屋)

 SJLLF2020年度秋季大会・賛助会員展示のZoom ミーティング

https://zoom.us/j/97905083546?pwd=QS9RemJCVGVFZDNHdzhqYU5OYmVzdz09

ミーティングID: 979 0508 3546

パスコード: 625549

 

参加賛助会員一覧

・アシェット・ジャポン/Hachette Japon

・駿河台出版社

・三修社

・白水社

・第三書房

・三省堂

・ボンサマ

DTP出版

・朝日出版社

・グロリアツアーズ

 

◎賛助会員公式オリジナル特設HP/ミーティングアドレス(大会当日に直接訪問可能)

・アシェット・ジャポン/Hachette Japonhttps://www.hachette-japon.jp/gakkai2020 (リンク先HPZoomアドレスあり) 当日連絡先:mail@hachette-japon.jp

・駿河台出版社:(2412:30-16:15Zoomhttps://zoom.us/j/92361058233?pwd=dlc2amRwbjZxZ1BaWGxCWGVmTklEUT09

            ミーティングID: 923 6105 8233 パスコード:8KHT1j

        (2512:00-15:15Zoomhttps://zoom.us/j/96475836055?pwd=QTNHdjl1TFFLYm9tcWM5ZjZVUXhFdz09

            ミーティングID: 964 7583 6055 パスコード:9yyYGy

・三修社:https://www.sanshusha.co.jp/text/info.html?category=14 (リンク先HPZoomアドレスあり)

・白水社:https://www.hakusuisha.co.jp/news/n37371.html (リンク先HPZoomアドレスあり) 当日連絡先:text@hakusuisha.co.jp

・第三書房:https://www.daisan-shobo.co.jp/company/c1615.html

・三省堂:https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/sjllf_2020

・ボンサマ:https://e-studio.work/news.html

DTP出版:https://bit.ly/2SIvAE4 (Zoom24日(土)12:45-16:15

・朝日出版社:https://text.asahipress.com/free/french/2020sjllf/ (オンライン展示ブース、Zoomミーティングも可能)

・グロリアツアーズ:(24日)https://zoom.us/j/98887703877

            25日)https://zoom.us/j/96934925972

 

大会の記録詳細

2003年10月26日 14時19分 [広報委員会]

2003年度秋季総会報告

ニュース115号(2003.12.5)より

幹事長 佐野泰雄

議長 本田忠雄  書記 横山安由美、白井恵一
支部報告および委員会報告は別掲。一般会務報告と協議事項を以下に記す。

報告事項

1.会員数と会費納入状況
10月16日現在、個人会員数1795人(普通1698、学生93、名誉4)、賛助会員数33
予算に対する納入率 78%

2.幹事会の活動
春季大会以後、2003年度幹事会は6月1日、9月27日(これには常任幹事会の要請で会長・副会長が出席した)の計2回開催された。さらに会務を補うために、幹事長および会計担当常任幹事を中心として会計に関する問題を審議する連絡協議会を7月25日に、常任幹事会と学会誌編集委員会による合同委員会を7月29日に開催した。

(1)かねてより学会誌印刷に関しては、印刷業者変更の気運が高まっていたが、複数の印刷会社より見積もりを取った結果、現行経費よりも150万から200万円ほど安価になることが判明、学会誌編集委員会とも協議しながら印刷業者変更の原案を作成し、9月27日の幹事会に提出したところ承認された。その後、常任幹事会で新印刷業者の選定を行い、印刷業者の変更、選定された新印刷業者の承認を役員会に提案し、了承を得た。また、印刷経費の削減分を会員に還元する方法については、大会補助金を増額支給することにより、会員個人の大会参加費を減額する旨、大会実行委員会にお願いする方針を役員会に提案した。その結果、運営規則第5条第1項の金額、30万円、20万円をそれぞれ50万円、30万円に増額変更することを含めて、提案が了承された。

(2)2003年度夏期フランス語スタージュ(第41回)は8月19日~8月30日(11泊12日間)、例年通りアートランド・ホテル蓼科において開催された。5名のフランス人講師陣、および1名のIT環境担当日本人講師の熱意と努力のおかげで、大きな成功を収めることができた。長い歴史を持つこのスタージュが、フランス語担当教員に新しい刺激を与えうる格好の機会であり、また、同僚との貴重な出会いの場を作っていることが実感された。また今回のスタージュの成功を支えたものとして、現地責任者を含む運営委員会のメンバーの献身的な奉仕があったことをあらためて強調しておきたい。

(3)しかしながら、スタージュを巡る状況に、おおきな変化が起きた。文部科学省がスタージュ事業から手を引くことになったのである。8月11日、幹事長、スタージュ担当常任幹事、運営委員会教務担当、フランス大使館文化担当官の計4名が文部科学省に出向いたところ、担当係官より、国内スタージュは今年度限り、フランス・スタージュは来年度をもって予算措置を廃止するとの通達を受けた。非英語系外国語教育擁護の意味、日仏文化協定などを論拠に異議を唱えたが、効力はなかった。文部科学省側の論拠は次のようなものである。近年の参加希望者数の低迷に見られるとおり、国内スタージュ事業の社会的必要性が疑わしい。事業の果実が社会的成果としては現れず、参加者個人の利益にのみ還元される傾向がある。政府の財政が逼迫している現状では、文部科学省においても、新規事業立ち上げるためには、旧来の事業を廃止する、いわゆるスクラップアンドビルドが求められているが、今回、より緊急性・必要性の高い事業立ち上げのため廃止するもののなかに、独仏スタージュを入れざるを得なくなった、などである。こうした新たな事態の展開に対処するために、スタージュ問題のみを扱う特設委員会を時限的に設置、会長がこれに諮問し、一定期間の審議を経て、この委員会が会長に対応策を答申する、という案を立案した。幹事会では既に了承済みのこの案を役員会に提案し、了承された。

(4)また、文部科学省が予算措置を廃止したことにより、本会会則第25条第3項「スタージュ運営委員会は、本会が文部科学省・フランス大使館と共同して開催するフランス語研修会(スタージュ)の企画・運営をおこなう」および、スタージュ運営委員会内規の効力を、新たな方針が確定するまで、一時的に停止しなければならない。これを役員会に提案し、了承を得た。(3)(4)の事案は、総会で協議の対象となった。

(5)支部会費代理徴収を本会事務局が行うようになってから半年が過ぎようとしているが、各支部によって会費が異なるため、事務処理が非常に煩雑になり、事務局にも過大な負担になっている。この負担を少しでも軽減するため、支部会費が2000円ではない支部に所属する学会員には、郵便局振込用紙2種類(額面10000円のものと、差額を額面とするもの)を送付する処理法を役員会に提案し、了承された。

3.7月下旬、日本学術会議第1部会語学・文学研究連絡委員会世話人より連絡委員推薦の要請があり、先例にも照らし、また会長とも相談した結果、副会長の塩川徹也氏を推薦した。

協議事項

1.2004年度秋季大会開催校の件
北海道大学において、北海道支部支部長高橋純氏(小樽商科大学)を実行委員長とし、2004年10月2日(土)、3日(日)の両日、秋季大会が開催することが提案され、承認された。ひきつづき、高橋純氏より受諾の挨拶があった。

2.スタージュ問題への対応の件
一般会務報告資料に従って経過説明が行われ、会長の諮問機関として、スタージュ問題に関する特設委員会を設置すること、および、その委員の選任は常任幹事会に一任することが提案された(上記報告事項2(3))。また、従来のスタージュ事業実施体制が崩れたことによる、本会会則第25条第3項、およびスタージュ運営委員会内規の効力の一時的停止の必要性が説明され、その了承が総会に求められた(上記報告事項2(4))。さらに、今回の文部科学省の一方的に通達に対して、学会として会長名による遺憾の意を表明した文章を文部科学省に提出することが、常任幹事会より提案された。以上につき、すべてが承認された。

3.その他
議場より、「都立大学問題」に対して学会としてアピールを出すべきではないのか、との問いかけを内容とする議題が提案された。これに対して、賛成する意見、慎重を期すべきであるとの意見など、複数の発言者による意見交換があった。時間の制約もあり、総会出席者もきわめて少ない議場の状況を踏まえて、議長より、このような重要案件にこのような状況下で即座に結論を出すことは必ずしも適切とは思えないし、都立大学の情勢もいまだ流動的であるので、当該議題についての慎重な処理を常任委員会に一任する旨の提案がなされ、承認された。

2003年10月26日 14時19分 [広報委員会]

2003年度秋季大会報告

ニュース115号(2003.12.5)より

幹事長 佐野泰雄


2003年度秋季大会は、10月25日(土)、26日(日)の両日にわたり、大阪は箕面の大阪外国語大学の緑深いキャンパスで開催された。まことに、天朗かにして気清む環境と天候とに恵まれた大会であった。

大会第1日は、午前中に各種委員会、および役員会が開かれた後、D棟大講義室において12時50分より開会式が行われた。司会は大阪外国語大学の木内良行氏。大会実行委員会委員長である岩間正邦氏の開会の辞に続いて、大阪外国大学是永駿学長より、人文系の学問領域を取り巻く厳しい社会情勢に共同で立ち向かうべく、熱い連帯を込めたご挨拶をいただいた。これに対して、菅野昭正会長が答礼の言葉を述べた。

ひきつづき13時15分より、同大講義室にて、京都大学の永盛克也氏の司会により、アカデミー・フランセーズの Marc Fumaroli 氏による特別講演 《Chateaubriand et Tocqueville: deux aristocrates liberaux devant la democratie》 が行われた。これは、両者の近縁性、共通性(たとえば、「民主主義」を前にした明澄なる知性の所持)に着目したもので、講演者の円熟した語り口とも相俟って、聴衆を魅了するところ大であった。

次に、14時30分より《テクストの此岸、テクストの彼岸  ── 多様化するマラルメ研究》と題されたシンポジウムが開催された。司会は東京大学の竹内信夫氏、パネリストは東京大学石田英敬氏、電気通信大学兼子正勝氏、早稲田大学川瀬武夫氏である。教養崩壊、メディア論、マラルメの社会的野心あるいは社会的キャリア、爆発点としての特異語などをキイワードとして、マラルメ研究の新たな可能性が論議され、聴衆に様々な示唆を与えた。また、シンポジウムの進行は即興性に富み、さながらジャズ演奏のジャムセッションに立ち会っているような興趣を抱かせた。

夕刻、場所を千里阪急ホテルに移して懇親会が行われた。特筆すべきは、その前に置かれたコンサート「フランス歌曲の夕べ」である。しっとり落ちついた雰囲気のなか、詩の理解と正確な発音に支えられたバリトン鎌田直純氏の歌唱が深い感動を誘った。ピアノ伴奏者小坂圭太氏との息もぴったりで、心洗われる思いがした。試みとしては大成功であったように思う。

懇親会には145名の参加者があった。宴は、実行委員長岩間正邦氏の司会のもと、副会長塩川徹也氏の挨拶、大阪外国語大学名誉教授原田武氏の乾杯の音頭で始まり、終始和やかで快い雰囲気のうちに歓談のひとときが過ぎていった。中ほどで、新任のフランス大使館文化担当官である Pierre Koest 氏、コンサート出演者鎌田直純氏からご挨拶をいただいた。冒頭の副会長塩川氏の挨拶、および終わり近くの、東京都立大学に関する同大学大久保康明氏のアナウンスなどから、われわれの学会のみならず人文系学問領域が直面している厳しい現実を意識させられたが、それだけにいっそう、この夕べの集いが提供する楽しい時間が貴重なもののように感じられた。

翌第2日は、パリ第3大学の Michel Collot 氏の 《 Tendances de la poesie contemporaine francaise 》 と題された特別講演で始まった。時間は10時から11時までの1時間、司会は筑波大学の Franck Villain 氏である。Collot 氏の講演は、ロゴス(言語のありよう)、アントロポス(自我)、コスモス(世界との関わり)を鍵概念とした分析をもとに、フランス(語圏)の現代詩の、1960年代から現在までの明快な見取り図を提供するもので、まことに啓発的であった。

11時10分より15時まで、昼休みをはさんで、午前の部、午後の部にわたり11の分科会に別れて、計27の研究発表が行われた。

その後、15時10分より関西大学の本田忠雄氏を議長として総会が開かれた。予定された議事の後にも、総会参加者から議題が提案され、二、三の意見交換があったが、議長の粛々とした議事運営によって無事に総会を終えることができた。

総会終了後、開催校に対する菅野会長の感謝の言葉に続き、実行委員長岩間正邦氏が閉会の辞を述べられ、本大会はその幕を閉じたのであった。参加者総数425名である。

制度的改革の移行時期に行われた本大会であったが、これを見事な成功へと導かれた岩間正邦実行委員長をはじめとする大阪外国語大学のスタッフの方々には深い敬意と感謝を表明したい。また、大きな後ろ盾となって下さった大阪外国語大学に対しても心からお礼を申し上げる。

2003年6月1日 14時18分 [広報委員会]

2003年度春季総会報告

ニュース114号(2003.7.5)より

総務 永見文雄

議長 伊藤幸次  書記 横山安由美、白井恵一
報告事項

1.会員数
 5月28日現在、会員数は1795(普通1649、学生109、名誉4、賛助33)。2002年度退会者数171(賛助6)。

2.幹事会の活動
 秋季大会以降、幹事会は3月31日・5月10日・5月31日の3回、常任幹事会は2月1日・4月12日の2回、開催された。

(1)2002年の春季大会総会における本会新会則と新運営規則の採択に伴って、2002年度の本会ならびに幹事会における最大の懸案事項と位置づけられた支部規約と委員会内規の改正作業は、順調に進展した。支部規約については7支部全てにおいて支部総会で新規約が承認された。支部のご努力に対しここに深甚の敬意を表したい。また委員会内規については、学会のあり方検討委員会を除く6委員会の新内規が3月31日開催の第3回幹事会における集中審議を経て、5月10日開催の第4回幹事会で承認され、春季大会役員会と総会で報告されることになっている。学会のあり方検討委員会の新内規については、同じく第4回幹事会で改正案の説明が行われ、役員会における説明を受けて、総会に諮られる予定(協議事項参照)。改正作業の終了に伴い、本年7月に「学会ニュース」で規約特集を組む予定である。

(2)2002年度秋季大会実行委員長高藤冬武氏より昨年末に大会収支報告書の提出があり、常任幹事会で監査した結果、これを適正なものと認めた。こうした監査は、新運営規則施行後初めてのことであるが、5月10日開催の第4回幹事会で報告され、了承された。その後、同委員長より大会剰余金の一部20万円を本会に寄付したいとのお申し出があり、検討の結果、実行委員会のご意思を尊重してありがたくお受けすることとした。この件については、3月31日開催の第3回幹事会で了承された。九州大学の秋季大会実行委員会に対して、あらためて深甚の謝意を表したい。

(3)2002年度の学会奨励賞の推薦がなかったことに関して、本年1月、元関東支部長照木健氏より塩川副会長に対して、支部レベルでの候補者の検討を徹底するよう要望が出された。これを切実に受け止めた幹事会は、3月31日開催の第3回幹事会で候補者推薦の活性化の方策について協議した結果、候補者推薦母体である各支部において推薦体制を整える方向で早急に検討に入ることとなった。また、候補者の審査に関し、従来審査委員に支払っていた審査費(謝礼)についても検討した結果、経費削減、ならびに学会活動のボランティア的精神というふたつの観点から、これを廃止することが了承された。

(4)日本学術会議第19期会員候補者推薦について、同会議から推薦依頼があり、会長・副会長とご相談の結果、前副会長の中川久定氏に候補となっていただいた。推薦人は塩川・柏木両副会長と川瀬総務の3名、推薦人候補は幹事長の永見。この件については、3月31日開催の第3回幹事会で了承された。

(5)2004年度科学研究費補助金の審査委員候補者推薦について、日本学術会議語学・文学連絡委員会委員長平岡敏夫氏より推薦依頼があり、細目「ヨーロッパ語系文学」枠の第1段候補者として瀬戸直彦氏と吉村和明氏を、また細目「言語学」枠の第1段候補者として東郷雄二氏を、それぞれの取りまとめ学会である日本英文学会と日本言語学会に推薦した。この件については、5月31日開催の第5回幹事会で了承された。

(6)去る4月5日に逝去された元幹事長望月芳郎氏のご遺族より、香典168万9000円を本会に寄付したいというお申し出があり、5月10日開催の第4回幹事会で協議した結果、故人のご遺志とご遺族のご意向を尊重してこれをありがたくお受けし、学会奨励賞基金に組み込むことが了承された。ただし、会計上の処理については2003年度通常経費決算の監査を受ける必要があるため、基金への組み入れは2004年度にずれ込むこともあわせて了承された。

3.支部活動の活性化という新会則の方針の一環として、2003年度から支部の要請に基づいて支部会費の代理徴収を行うこととなっていたが、本会事務局から各支部にアンケート調査を行い支部代理徴収の希望を聞いた結果、関西支部を除く6支部について、このたび代理徴収を開始した。今後、この6支部の会員は、本会事務局から送付する会費振込用紙で支部会費もあわせて支払う方式となる。本会発行の領収証が必要な場合は、本会事務局に書面で申し込むことによって、振込済み受領書と引き換えに本会会費および支部会費の領収証を本会事務局で発行することとした。関西支部については例年通り関西支部が支部会費を徴収することになる。

4.昨年の秋季大会で大会参加費等の事前郵便振込制を導入するなど、大会開催校の負担軽減等を目指した大会運営方法の改革に踏み出したが、その後種々の改善点を盛り込んだ「大会運営マニュアル」を完成した。今後、実行委員会と本会事務局はこのマニュアルに沿って大会準備と大会運営を進めることとなる。マニュアルは大会終了後に毎回見直すこととした。また、大会収支報告書の監査の義務化に伴い、大会会計の不備の発生を防ぐため、大会会計簿をあらたに策定し、勘定科目の統一も行った。今後は大会実行委員会にあらかじめ大会会計簿を渡して準備期間中ならびに大会期間中の記入を求め、大会終了後、大会実行委員会は大会会計簿を大会収支報告書とともに常任幹事会に提出し、監査を受けることとなる。なお、今後の大会運営に関しては、将来的には会則の改正も視野に入れながら、大会参加費の徴収を廃止する方向で、大会費用を学会費に組み込む形による大会運営が果たして可能かどうかを、常任幹事会がさまざまな角度から検討することにした。

5.スタージュ運営委員会の一部から昨秋学会分担金の増額要求の意見提出があったため、常任幹事会で過去3年間のスタージュの収支状況の見直しを行った結果、さしあたって増額の必要はないと判断、現状の予算内で運営してもらうことにした。あわせて、経費削減に努め繰越金を取り崩さずに運営にあたることを確認した。その後、常任幹事会では、支出金の詳細を明確化するために、勘定科目等の再検討と出納帳の雛形作りを行った。また、委員会内部の引継ぎ・申し送り事項の確実な継承という観点から、今後資料・文書類のオリジナルは本会事務局で保存・管理することとし、スタージュの仕事に関するマニュアル作りを進めることにした。

協議事項

1.2003年度人事(新任)が提案され、承認された。(別掲→p.11)
総会開催前の12時半より行われた予備常任幹事会において、佐野泰雄氏が互選により2003年度幹事長候補に選出されたことが報告され、幹事長を含むすべての人事案件が承認されたあとで、佐野氏より新幹事長受諾の挨拶があった。

2.学会のあり方検討委員会内規改正の件
小林茂同委員会世話人より改正案の説明があり、原案通り承認された。

3.2004年度春季大会開催校の件
 片木智年大会担当常任幹事より、白百合女子大学において、同大学の山辺雅彦氏を大会実行委員長として、2004年5月29日(土)と30日(日)の両日に春季大会を開催することが提案され、承認された。引き続き山辺氏より受諾の挨拶があった。

4.2002年度決算の件
 高橋信良会計担当常任幹事による2002年度通常経費決算の説明があり、藤野昭雄氏の監査報告ののち、原案通り承認された。

5.2003年度予算の件
 高橋常任幹事による2003年度通常経費予算案の説明があり、原案通り承認された。

6.2002年度スタージュ決算の件
 高橋常任幹事による2002年度スタージュ経費決算の説明があり、月村辰雄氏の監査報告ののち、原案通り承認された。

7.2003年度スタージュ予算の件
 高橋常任幹事による2003年度スタージュ経費予算案の説明があり、原案通り承認された。

◇会長・副会長選挙
 5月10日開催の選挙管理委員会で予備選挙の開票・集計作業を行ない、同数得票者がいたためA地域5名、B地域7名の合計12名を会長・副会長候補者として決定した。その後B地域の候補者1名が辞退を申し出たため、最終的に11名を同候補者とすることにした。
 6月1日の春季大会総会時に本選挙の投票を行い、運営規則第5章に基づいて厳正に開票・集計作業を行なった結果、会長には菅野昭正氏、副会長には塩川徹也氏と柏木隆雄氏が、いずれも第1回投票で有効投票の過半数を獲得して再選された。

◇運営規則改正
 5月10日開催の第4回幹事会で運営規則の改正案が承認され、春季大会時の役員会における議決を経て、同総会で報告・了承された。改正は2箇所。全国大会の収支報告書の提出期限に関する規定(第1章第13条①)と学会奨励賞基金に関する規定(第2章第2条)である。従来収支報告書の提出は大会終了後2ヶ月以内とされていたが、これでは提出時期が休暇にかかるため処理に支障があった。昨秋から大会参加費の事前郵便振込制が実施され、また大会会計簿などを整備したことから、会計処理の迅速化が期待できるようになったために、今回の改正となった。学会奨励賞基金については、松下和則元会長より申し出のあった「フランス・ロマン主義研究会」よりの寄付金を学会奨励賞基金に組み込むことにしたのに伴う改正で、あわせて字句の修正も行った。

第1章 全国大会
第13条(大会の収支報告) ① 大会実行委員長は、懇親会に関係するものを除き、大会実施に係る収支報告書を、大会終了後2カ月以内に常任幹事会に提出しなければならない。
→1カ月
第2章 学会奨励賞
第2条(基金) 本賞は、辰野隆氏、鈴木信太郎氏、小場瀬卓三氏、水野亮氏、高木進氏、高橋孝氏、鈴木敏夫氏よりの寄付金合計5,400,000円に学会会計より4,600,000円を加え、合計10,000,000円を基金とし、その利息等を以て賞金に当てるものとする。
→(…氏)、小林正氏よりの寄付金合計6,652,074円
→本会
→合計11,252,074円
→充てる
付則
本運営規則は2002年(平成14年)6月3日より施行する。
→① 本運営規則は2002年(平成14年)6月3日より施行する。
 ② 2003年(平成15年)5月31日、一部改正。

2003年6月1日 14時18分 [広報委員会]

2003年度春季大会報告

ニュース114号(2003.7.5)より

総務 永見文雄


 2003年度春季大会は、5月31日(土)と6月1日(日)の両日、生憎この季節には早すぎる台風に直撃されるという悪条件の中で、埼玉県草加市の獨協大学を会場に、それでも全国から465名の会員が参加して開催された。

 大会初日は、9時から4棟で各委員会が開かれたあと、10時半から6棟507会議室で2002年度最後の幹事会、引き続いて役員会、さらに学会奨励賞選考委員会が開催された。昨年は推薦のなかった学会奨励賞も、今年は2つの支部から1名ずつ計2名の推薦があり、これを受理して審査委員を決定した(別掲報告を参照)。昼食ののち、13時半より6棟101教室にて、獨協大学の江花輝昭氏の司会により、開会式が行われた。大会実行委員長の山田秀男氏の開会の辞では、今回は18年ぶりの獨協大学における開催となる旨の紹介があり、獨協大学学長桑原靖夫氏の開催校代表挨拶では、開催校の沿革が披露された。今年で創立120周年を迎える獨協学園は、主としてドイツの学問・文化を学んで日本の近代化に貢献してきたが、獨(ドイツ)学協会学校が1883年(明治16年)に開校した時の初代校長が西周であったように、フランスとも浅からぬ縁があることなど、桑原学長は興味深いお話を交えて歓迎の挨拶とされた。これに対して菅野昭正会長が、返礼の挨拶を述べた。

 14時半からは研究発表会が行われた。従来2日目に行われていた研究発表会と懇親会を大会初日の土曜日に持ってくる初の試みであったが、1部と2部、合計14の分科会に別れて、全部で37の盛り沢山の発表が18時近くまで続くなど、常に変わらぬ盛会であった。

 恒例の懇親会は、場所を移して35周年記念館2階の学生食堂で、18時半から行われた。江花輝昭氏の司会、柏木隆雄副会長の挨拶と乾杯の音頭で始まり、中ほどで、翌日の特別講演の招待研究者であるアントワーヌ・コンパニオンAntoine Compagnon氏(パリ第4大学)とパトリック・ラバルトPatrick Labarthe氏(パリ第3大学)、さらに日本プルースト研究会のシンポジウムで来日中のナタリー・モーリアックNathalie Mauriac Dyer氏(C.N.R.S.)とパトリツィア・ロンバルドPatrizia Lombardo氏(ジュネーヴ大学)の4人連続のフランス語による挨拶が入るなど、依然として降りしきる雨もしばし忘れる賑やかな肩の凝らない会となった。同じ日に予定されていたフランス大使館のレセプションは結局土壇場で大使館側の都合により中止となったため、同文化部のジャン・ノエル・ジュテJean-Noel Juttet氏も喜んでこちらの会に参加された。参加者数は156名。

 大会2日目は、午前中が特別講演にあてられた。5棟128号室を会場にして上智大学の吉村和明氏の司会で10時5分に始まったラバルト氏の講演はゆったりとした大きな声と力強い話しぶりで美しいフランス語をたっぷり聞かせ、静かに熱心に耳を傾ける聴衆を魅了した。台風の影響で会員の出足が心配されたが、終わる頃には120名を数えた。続くコンパニオン氏の講演は東京大学の中地義和氏の司会で進行したが、こちらは2回目ということもあって和やかな雰囲気のうちにきわめて軽快にリズミカルに疾走する体の講演で、12時20分に終わる頃には参会者も150名を越え、会場は満席であった。2つの講演とも質疑応答が活発に行われ、充実した時間を共有することができた。特別講演の企画と準備にたずさわった全ての関係者に深甚の謝意を表したい。

 昼食をはさんで13時半から同じく5棟128号室で独協大学の伊藤幸次氏を議長に総会が始まった。最初に会長・副会長選挙の予備選の開票結果が選挙管理委員会から報告され、議事と平行して本選挙の投・開票が行われた。会長には菅野昭正、副会長には塩川徹也、柏木隆雄の3氏が、いずれも第1回の投票で再選され、それぞれ受諾の挨拶をされた(別掲報告を参照)。議事の方は総会議長をつとめてくださった伊藤幸次氏のユーモアとゆとりのある司会ぶりのおかげで、人事案件を含めてすべての議事がつつがなく終了した。

 15時半の総会終了後ただちに閉会式に移り、はじめに菅野会長の挨拶があった。1953年(昭和28年)の慶應義塾大学における大会を振り返り、当時の会員200名と比べると本会の発展ぶりは実に目を瞠るものがあるとの指摘に続いて、開催校と関係者に謝辞が述べられた。最後に獨協大学の穂苅瑞穂氏の閉会の辞で大会は幕となった。(研究発表会、特別講演、総会については、別掲各報告を参照のこと。)

 常任幹事会で大会運営マニュアルを作成して初めての、しかも従来にないいくつもの試みを伴った本大会であったが、幾多の困難を克服してこのような成功へと導いてくださった山田秀男大会実行委員長をはじめとする獨協大学のスタッフのかたがた、大会をバックアップしていただいた獨協大学、ならびに会場設営や受付などの面倒な仕事を立派に果たされた同大学の学生諸君に対しては、この場をお借りして心からの御礼を申し上げたい。また本会事務局の頼りになる2人の書記、丸山理絵氏と漆原みゆき氏には、いつもながらの抜かりない完璧な仕事ぶりで事務局側の準備を綿密に進めていただいた。深い感謝の気持ちを捧げたい。最後に幹事会の中核となってともに働いた常任幹事会の同僚諸兄姉に対しても、篤い感謝と敬意の念を表したい。

2002年10月27日 14時17分 [広報委員会]

2002年度秋季総会報告

ニュース112号(2002.12.5)より

幹事長 永見文雄

議長 末松 壽  書記 高橋信良、横山安由美
支部報告および委員会報告(別掲)を除く、一般会務報告と協議事項を以下に記す。

報告事項

1.会員数と会費納入状況
10月18日現在、会員数は1932(普通1778、学生111、名誉4、賛助39)。2002年度退会者18。予算に対して約95%の会費が納入されている。

2.幹事会の活動
春季大会以降、幹事会は6月15日、9月28日の計2回開催された。今年度も昨年度同様、幹事会業務の効率化とそれに伴う幹事会開催回数の削減、常任幹事会の業務分担の明確化の方針に変わりはない。今後の予定としては、来年3月31日(月)に第3回幹事会を開催し、来年度春季大会で行なわれる会長・副会長選挙のための選挙管理委員会を発足させ(運営規則第5章第7条
<2>)、併せて今年度幹事会の最大の懸案事項である委員会内規の見直しのための集中的審議を行う。4月下旬または5月上旬に第4回幹事会を開く予定である。常任幹事会については、1月から4月の間に2回開催し、主として本会通常経費の予算・決算案ならびにスタージュ経費の予算・決算案の審議を行なうことにしている。

(1)委員会委員の補充について
語学教育委員会については、すでに昨年度の第3回幹事会(5月11日開催)において、春の委員の半数改選の際に委員の補充を行わないことが確認されていた。6月の第1回幹事会の時点でとりわけスタージュ運営委員会において委員の充足状況がかんばしくなく、その後渉外委員会でも委員に欠員が出るなどしたが、現在、委員会内規の見直しが委員数の削減なども考慮に入れながら各委員会で進行中のことでもあり、当面のあいだ、語学教育・スタージュ運営・渉外の3委員会で、委員の補充を見合わせている。

(2)(1)と関連して、2点報告しておきたい。先ず、
<1>委員の選出と支部の関係について。委員の選出は各委員会の内規に基づいて行なわれるが、各支部との関わりについてはこれまで明確な合意がなかったために委員のスムーズな交代が妨げられているという現実があった。今後は、人を確保するという実効的な側面と、支部の意向の尊重という二側面を強く意識しつつ、「幹事会としては委員選出にあたって各支部の協力をお願いしたい」とすることで幹事会の合意をみた。次に、<2>委員の「再任は妨げないが3選はできない」という文言の解釈について、これを、「3期連続して任につくことはできない」と解釈することで共通の認識に至り、幹事会議事録に残すこととした。

(3)大会の運営方法の変更について
今季大会では、大会実行委員会との協議の上で、プログラムの簡素化と大会費等の事前振込み制の導入を行った。従来、本会賛助会員の出版社の協力を仰いで行なってきたプログラムと発表要旨の作成については、すでに2002年度春季大会から、開催校に一任する方式へと変更しているが、今後も開催校との協議を通じて一層の工夫をしたい。また、大会費・懇親会費・昼食の弁当代については、受付事務の簡素化、金銭上の間違い防止、懇親会参加予定者実数の把握、懇親会に参加を申し込みながら当日無断で欠席する人の存在、昼食弁当の確実な引き取りなど、以前から指摘されていた問題について大会実行委員会と慎重に検討協議を重ねた結果、事前の郵便振込み方式の導入に踏み切った。前々から開催校が問題としてきた点をまとめると以下の通り。

<1>どれだけの大会費が集まるのか大会当日まで見当が付かず、予算がたてられない。
<2>大会前にこそ出費があるので、学会からの貸付金(50万円)と補助金(30万円)だけでは、やり繰りが厳しい。
<3>とくに小規模校、仏文専攻などを持たない大学にとっては、アルバイトの手配が大変。
<4>お金の扱いに不慣れなアルバイトに受付を任せることへの懸念。
<5>銀行の開いていない週末に、多額のお金を集めることの不安。
<6>受付を通らずに大会に参加する人を防げない、など。
上記
<1>から<5>までについては、今回の事前振込み制の導入によって、ある程度問題解決が可能と考えているが、今後もこれを踏襲するかどうかは、今季大会の結果を踏まえて注意深く検討することとしたい。

なお、開催校の事務的負担の軽減、大会開催にかかる費用の抑制、大会運営の効率化等を目指して、常任幹事会としては、今後も、大会運営にかかわる事務作業の本会事務局への一部移管など、大会運営方法の改善を鋭意検討してゆく所存である。もとより、大会運営方法の変更については、他学会の例も参考にしながら、とりわけ開催校との綿密な協議検討を経て慎重に行なわれるべきものではあるが、大会運営の改善に対する幹事会ならびに常任幹事会のイニシアティブと今後の努力に対しては、特段のご理解をたまわりたい。

(4)支部規約と委員会内規の見直しの進捗状況について
本会会則の変更に伴う各支部規約の改正と委員会内規の見直しは、今年度の本会ならびに幹事会における最大の懸案事項であるという認識を、今年度幹事会は発足当初より持ってきた。もとより支部規約の改正は各支部の専権事項であって、幹事会として直接関与すべきものでないことは言うまでもないが、2003年度より始まる支部会費の代理徴収などとの関連で、本会会則と支部規約とのあいだに齟齬の生じないよう十分留意する必要がある点については、これまでもたびたび注意を喚起してきたところである。見直しの進捗状況の詳細は、このあとの支部報告ならびに委員会報告で明らかにされると思うので、ここでは今後の手順についてだけ簡単に触れることとしたい。

<1>現在、会員情報管理・規約担当の北見常任幹事と川瀬総務が、各支部の代表幹事ならびに各委員会委員長と緊密な連絡を取りながら、見直し作業に助言・協力している。
<2>委員会内規については、来年3月31日に予定される第3回幹事会までに各委員会で最終的な原案を作成し、当日、幹事会レベルで集中的に審議を行う予定である。
<3>支部規約については、すでに各支部の総会で正式に承認されたものについても、また未承認の新規約案についても、順次、表記上ならびに内容上の問題点について、担当常任幹事から各支部に対して参考意見を申し上げて検討をお願いしつつあり、また今後お願いすることにしている。
<4>できれば来年4月下旬もしくは5月上旬に予定されている今年度第4回幹事会で、または遅くとも来年6月の2003年度第1回幹事会で、委員会内規を一括承認する(委員会内規の作成・改定は幹事会の承認事項。運営規則第6章第8・9条を参照)。
<5>ただし、あり方検討委員会の内規の作成・改定については、他の委員会とは異なり総会の承認事項となっているため(運営規則第7章第9・10条参照)、他の委員会内規の幹事会承認と足並みをそろえて、来年の春季総会に内規改定の件を諮ることとする。
<6>2003年7月に、本会「規約集」を刊行するか、または「学会ニュース」で規約特集を組む。経費削減の観点から、後者の選択肢も残しておきたい。

(5)支部会費の代理徴収について
2003年度から可能となる支部会費の本会による代理徴収は、運営規則によれば「支部の要請に基づいて本会事務局がこれを行なう」こととなっている(第9章第1条
<1>)。そこで事務局では夏休み明けに各支部にアンケートを発送し、年末までに代理徴収の希望の有無を回答してもらうこととした。なお、<1>滞納分の会費については、代理徴収は行わない、<2>本会が代理徴収した分について、これを本会口座から各支部の口座へ振り込む際の振込み費用は、本会が負担する、の2点を第1回幹事会で確認した。

(6)プログラムの発送について
今季大会のプログラムについて、「プログラムが届いている先生と届いていない先生がいるのはなぜか」という問い合わせが本会事務局にたびたび寄せられた。そこで、今季大会のプログラムの発送について説明しておきたい。

新会則の第13条
<1>に、「各年度の所定の期限までに会費が未納の会員に対しては、会費が納入されるまで、第9条に定める会員の権利を停止する。」とあり、会費納入期限は、運営規則第3章第7条<1>で、6月30日と定められている。そこで、
<1>今年度の会費を納めた会員にはプログラムを九州大学から送付した(1250名ほど)。
<2>プログラム発送時に本年度会費が未納の会員は、本来は会則第9条(会員の権利)の規定にある学会誌・会報・会員名簿等の配布を受ける権利が停止となるはずであるが、しかしながら今年度は新会則への移行期間であることを考慮して柔軟に対処することとし、昨年までの会費納入者については、会費納入を催促する紙片を同封してプログラムを本会事務局から発送した(450名ほど)。
<3>会費を2年以上未納の会員(250名ほど)には、プログラムは発送されていない。ちなみに、7月に「学会ニュース」を送付した際にも、昨年までの会費納入者については同様の柔軟な対処を行い、会費の速やかな納入をお願いする紙片を同封した。ただし、本年度会費未納会員には、学会誌も2002年度版会員名簿も送っていない。昨年度分の会費すら払っていない人たち(すなわち、会費2年・3年未納会員)には、何も送っていない。この人たちは、このまま未納状態が続けば、今年度末で登録抹消となる。以上の処理について、ご了解たまわりたい。

(7)2002年度版会員名簿の発行について
実質的には昨年度幹事会の仕事であったが、2002年7月1日付で、会員名簿の2002年度版を発行した。今回から白水社にデータ入力を依頼することなく、本会事務局で編集・発行することとした。印刷も白水社から他社に変更し、結果として経費の削減につながった。記載事項については、従来の学歴欄ならびに学位欄を廃止し、電子メール情報を載せた。本年度会費未納会員には、前述したとおり、発送していない。なお、学会誌の印刷・発行についても、大会プログラム、発表要旨、会員名簿と同じように、経費の削減等の観点から、本会賛助会員の出版社に対する従来からの依存を今後は見直す方向で検討していることを申し添えておきたい。

協議事項

1.人事
 監査役の選任の件を協議した。2期4年の任期を終えた藤田光一郎氏の後任として月村辰雄氏の選任が、また1期2年の任期を終えた藤野昭雄氏の再任が提案され、いずれも承認された。月村氏はスタージュ会計の監査を、藤野氏は本会通常経費の監査を担当することも併せて承認された。

2.2003年度秋季大会開催校の件
 大阪外国語大学において、同大学の岩間正邦氏を大会実行委員長として、2003年10月25日、26日の両日に秋季大会を開催することが提案され、承認された。ひきつづき岩間氏より受諾の挨拶があった。

2002年10月27日 14時17分 [広報委員会]

2002年度秋季大会報告

ニュース112号(2002.12.5)より

幹事長 永見文雄


2002年度秋季大会は、10月26日(土)と27日(日)の両日、今年一番の木枯らしに見舞われた福岡の九州大学六本松キャンパスを会場に、全国から398名の会員が参加して開催された。

大会初日は、午前9時から新1号館で各委員会が、引き続いて10時40分から本館第1会議室で役員会が開かれたあと、13時30分より新1号館N110番教室において九州大学の田中陽子氏の司会により開会式が行われ、最初に大会実行委員長の高藤冬武氏が開会の辞を述べられた。九州大学では15年前に箱崎キャンパスで開かれて以来の大会となること、旧制福岡高校から九大教養部を経て現在の言語文化研究院へと六本松キャンパスが変遷したことなどを紹介する高藤氏の話に続いて、同院長の森茂太郎氏から主催校を代表してユーモア溢れる挨拶をいただいたが、フランス語受講学生の減少どころか九大では昨今増加をしているという心強いお話に一同感銘を受けた。これに対して、菅野昭正会長が昔日の仏文学会のエピソードを交えながら返礼の挨拶を述べた。

引き続き同教室で14時10分より、西南学院大学のThierry Trubert氏の司会により、パリ第3大学学長Bernard Bosredon教授の特別講演〈Titres de tableaux et discursivite〉があった。さらに同教室では15時30分から〈没後100年―ゾラの多面性を読み解く〉と題するシンポジウムが行われた。本会副会長で大阪大学の柏木隆雄氏が司会兼パネリストをつとめ、東京都立大学の小倉孝誠氏、東京大学の宮下史朗氏、神戸大学の吉田典子氏の3人のパネリストを加えたパネリスト同士の討論は無論のこと、パネリストと会場の会員との間の討論も白熱して、予定の2時間半を遥かに超過し、250名収容の会場には立ち見も出るなど、大会初日を締めくくるにふさわしい盛り上がりとなった。

大会2日目は、午前と午後にわたり、新1号館の各教室で12の分科会に別れて26の研究発表が行われた。

分科会終了後、同館N110番教室において、15時30分から、福岡大学のHelene De Groote氏の司会のもと、本大会ふたつ目の特別講演〈La place de la mythocritique dans la litterature comparee〉が、グルノーブル第3大学名誉学長で現フランス大使館文化参事官のAndre Siganos氏によって行われた。ふたつの特別講演とも、質疑応答を交えた興味深いものであったことは言うまでもない。

引き続いて同教室で16時40分から総会が開かれた。総会議長をつとめてくださった九州大学の末松壽氏の見事な手綱さばきで議事は滞りなく進行し、ほぼ1時間で総会はつつがなく終了した。総会終了後、開催校に対する菅野会長の感謝の言葉に続いて、九州大学の羽賀賢二氏が閉会の辞を述べられた。


恒例の懇親会は場所を移して19時15分から、今日の博多を象徴するまことに豪華な海辺のホテル、シーホークホテル&リゾートの1階宴会場アルゴスで、145名の参加者を得て盛大に開かれた。大会実行委員長の高遠冬武氏が自ら司会をつとめてくださり、ワイングラスと取り皿を片手で持つエピソードなどを交えながらの、お人柄のにじみ出る快いスピーチのあと、副会長の塩川徹也氏の開会の挨拶があった。大会初日の菅野会長の挨拶でも指摘されたことだが、塩川副会長も、無論大会実行委員会の責任ではないと断った上で、今回学会奨励賞への推薦がなかったことが、唯一残念なことと遺憾の意が表明された。そのあと、特別講演を行ったBosredon 氏とSiganos氏、日本フランス語教育学会の招きで来日中のCIEPの Marie-Laure Poletti氏の3人のフランス人のスピーチと続き、西南学院大学名誉教授の中村栄子氏の乾杯の音頭で歓談へと移った。2時間を越える懇親会は参加者めいめいにとって忘れがたい交流の一夕となったことは疑いない。

今大会は大会費や懇親会費などの事前振込み制を初めて導入するなど、大会運営の刷新に向けて一歩を踏み出した記念すべき大会であった。紛れもない成功の二文字で刻印された本大会を周到に準備された高藤冬武大会実行委員長をはじめとする九州大学大学院言語文化研究院のスタッフからなる実行委員会の皆様、大会をバックアップしてくださった九州大学、ならびに会場設営や受付などの面倒な仕事を立派に果たされた同大学の学生諸君に、幹事会を代表して心から御礼申し上げたい。また本会事務局の2人の書記、丸山理絵氏と漆原みゆき氏には、いつもながらのことではあるが、抜かりない仕事ぶりで事務局側の準備を綿密に進めていただいた。おふたりにも記して感謝する次第である。

2002年6月2日 14時16分 [広報委員会]

2002年度春季総会報告

ニュース111号(2002.7.10)より

総務 川瀬武夫

議長 吉川一義  書記 杉山利恵子、中野知律
支部報告および委員会報告を除く、一般会務報告と協議事項を以下に記す。

報告事項

1.会員数
5月29日現在、会員数は1924(普通1762、学生100、名誉4、賛助39、図書館等19)。2001年度退会者114、事務停止者108。

2.幹事会の活動
秋季大会以後、幹事会開催回数削減という新幹事会の方針に従い、幹事会は2002年5月11日の1回のみ開催。それを補うために常任幹事会を2002年1月29日と4月27日に計2回開催した。こうした方式は幹事会と常任幹事会の業務分担を明確化していくための今後のモデルケースになると思われる。

(1) 2002年度会員名簿の編集作業は最終校正段階に入っており、6月末に刊行予定。個人情報保護に関する近年の社会意識の大きな変化に鑑み、従来あった学歴欄と学位欄を廃止し、その代わり希望に応じて電子メール・アドレスを掲載することとした。版型もA4版に変更する。

(2) 学会会則改正委員会は、2001年12月22日に第5回委員会を開催し、すでに昨年の秋季大会において提示されていた会則案文の一部修正を行ない、また運営規則の全案文の作成作業を完了した。その後は主として電子メールを用いた持ち回り方式で要修正箇所の検討を重ね、4月上旬に最終案を整えた。5月11日の幹事会でこの最終案は一部修正を加えた形で承認された。さらに今大会時の役員会の議題として協議され、総会の協議事項となっている(協議事項を参照)。

(3) 2000年度幹事会が諮問した二つの点、すなわちスタージュの存続意義と運営方法について、および語学教育委員会の任務の見直しについて、学会のあり方検討委員会から最終答申が幹事会に提出された。幹事会では、本答申が総会で報告・了承され次第、その趣旨を最大限尊重して、今後の本会の運営に生かしていくことが確認された(報告事項を参照)。

(4) 元会長の松下和則氏より本会に寄付金のお申し出があった。これは元副会長の故小林正氏が「フランス・ロマン主義文学研究会」のために貯えられていた760,027円を、松下元会長が寄託金としてお預かりになっているうちに、利息が付いて1,252,041円という額になったものである。小林元副会長はフランス・ロマン主義文学にかんする学術書出版の助成金にとお考えになっていたとのことであり、また松下元会長も学会奨励賞の基金に組み入れることをご提案下さっているので、両氏の御遺志、御意向を尊重して、この寄付金を学会奨励賞の基金の一部として有難くお受けすることが幹事会で了承された。

3. 科学研究費審査委員候補者推薦にあたっては、「科学研究費分科・細目」の大幅な変更に伴い、従来一体のものであった分科「文学」・細目「仏語・仏文学」が分割され、「仏文学」については細目「ヨーロッパ語系文学」に、「仏語学」については分科「言語学」・細目「言語学」に編入されることになった。その結果、フランス文学関係の審査委員数の大幅削減が避けれない事態となっている。またフランス語学関係に至っては、窓口学会としての本会からの推薦そのものが制度的に廃止された。そこで言語学関係の窓口学会である日本言語学会に要望書を出し、細目「言語学」の審査委員候補者の推薦にあたっては、本会の意向を可能な限り反映していただきたい旨の申し入れを行なったところ、幸いにして本会よりの推薦を2名受けつけるとの回答を得た。

 いずれにせよ、外国文学・外国語研究の分野は科研費獲得の場でも劣勢を強いられているというのが実状であり、これを挽回するには申請件数を着実に増やしていくことが肝要であろう。会員諸氏には今後一層意欲的に科研費に応募していただくよう呼びかけたい。

 平成15年度科学研究費審査委員候補者については、日本学術会議の語学文学研究連絡委員である塩川副会長との協議により、以下の方々を推薦した。「仏文学」の第1段委員候補者として、大久保康明(東京都立大)、小田桐光隆(上智大)、川那部保明(筑波大)、佐野泰雄(一橋大)、瀬戸直彦(早稲田大)、中村弓子(お茶の水女子大)、三野博司(奈良女子大)、吉田典子(神戸大)、第2段委員候補者として、朝比奈弘治(明治学院大)、宮下志朗(東京大)、および「仏語学」の第1段候補者として、青井明(国際基督教大)、東郷雄二(京都大)の各氏。

4.大学評価・学位授与機構より大学評価委員会専門委員候補者の推薦依頼があった。本会としては、その社会的使命に照らして、この推薦依頼をきわめて重大なものと受け止め、菅野会長ならびに塩川・柏木両副会長と慎重な協議を重ねた結果、以下の方々を推薦することとした。教育評価部門に、柏木隆雄(大阪大)、恒川邦夫(一橋大)、研究評価部門に、塩川徹也(東京大)、吉田城(京都大)の各氏。

5.今年10年26日、27日の両日に九州大学において開催される秋季大会での研究発表の申し込みの出足が鈍いとの報告を高藤大会実行委員長より受けている。当初設定されていた6月7日の申し込み締切を2週間延長することにしたので、会員諸氏には積極的に発表申し込みをしていただくよう呼びかけたい。

協議事項

1.人事(新任)が提案され、承認された。
 同日12時より開催された予備常任幹事会において、永見文雄氏が互選により幹事長候補に選出されたことが報告され、幹事長を含むすべての人事案件が承認された後で、新幹事長として永見氏の挨拶があった。

2.会則改正の件
3.運営規則改正の件
 総会資料に掲載された会則と運営規則の最終案について、中地義和総務が詳細な説明を行なった後で、原案のまま一括承認された。

 両案承認後、幹事長より、学会会則を再検討するための特別委員会ならびに会則改正委員会の委員として、今回の世紀をまたがる改正作業に献身的な努力を捧げてこられた方々に対する謝辞が述べられた上で、本年6月3日から施行されることになる新会則と新運営規則に含まれる規定と、支部や委員会の運営の実際とのあいだに当面は若干の不整合が生ずるのはやむを得ないので、本年度を新体制への移行期間と位置付けることによって、新しい規定の適用をある程度柔軟に行ないたいとの見解が表明された。また、各支部、各委員会に対しては、今後1年間を目処に、新会則、新運営規則との整合性をはかる方向で、支部規約、委員会内規の整備・改定作業を完了していただきたい旨の要請がなされた。

4.2003年度春季大会開催校の件
 獨協大学において、同大学の山田秀男氏を大会実行委員長として、2003年5月31日と6月1日の両日に春季大会を開催することが提案され、承認された。ひきつづき山田氏より受諾の挨拶があった。

5.2001年度決算の件
 松村剛会計担当常任幹事による2001年度決算の説明があり、藤野昭雄氏の監査報告の後、原案のまま承認された。

6.2002年度予算案の件
 松村常任幹事による2002年度予算案の説明があり、原案のまま承認された。

7.2001年度スタージュ決算の件
 松村常任幹事による2001年度スタージュ決算の説明があり、澤田肇氏の監査報告の後、原案のまま承認された。

8.2002年度スタージュ予算案の件
 松村常任幹事による2002年度スタージュ予算案の説明があり、原案のまま承認された。

9.会則改正委員会解散の件
 新会則、新運営規則が原案のまま総会で一括承認されたことに伴い、会則改正委員会の任務がここに完了したものとして、同日をもって同委員会の解散が承認された。

2002年6月2日 14時15分 [広報委員会]

2002年度春季大会報告

ニュース111号(2002.7.10)より

総務 川瀬武夫


 2002年度春季大会は、6月1日(土)と2日(日)の両日、早くも夏の到来を思わせる素晴らしい青空の下、移転後まもない東京外国語大学の緑豊かな新キャンパスを会場に、全国から622名の会員が参加して開催された。

 大会に先立って、5月31日(金)午後、恵比寿の日仏会館の会議室で各委員会が開かれ、また同日18時30分よりフランス大使館大使公邸においてレセプションがあった。奇しくもFIFAワールドカップの開幕戦、フランス対セネガルの試合が行なわれた晩のことである。

 大会初日は、午前中に総合文化研究所会議室で役員会が開かれた後、13時からマルチメディアホールにおいて、東京外国語大学水林章氏の司会により開会式が行なわれ、大会実行委員長西永良成氏の開会の辞につづいて、池端雪浦東京外国語大学学長の気迫あふれる歓迎の挨拶をいただいた。これに対して、菅野昭正会長が返礼の挨拶を述べた。

 ひきつづき同ホールで13時40分より、京都市立芸術大学柏木加代子氏の司会により、Sarre大学Jeanne Bem教授の特別講演 ≪L’ecrivain europeen et ses langues: Victor Hugo, Stendhal, Nerval, Flaubert≫ があった。19世紀フランスの文学者たちと諸外国語との係わりを考察したこの講演は、開催校にまことにふさわしく、きわめて啓発的で刺激に富んだものとなった。

 さらに同ホールでは15時より2時間半にわたり、「グローバル化時代におけるフランス文学」と題する最初のシンポジムが催された。これは副題にもあったように、昨年12月に青山学院大学で開催された国際シンポジウム「東アジアとフランス」の成果を踏まえて企画されたもので、東京外国語大学西谷修氏の司会のもとに、早稲田大学立花英裕氏、白百合女子大学星埜守之氏、同大学澤田直之氏の3人のパネリストが白熱した討論を展開した。会場からの発言も活発であった。

 大会2日目は、午前と午後にわたり、研究講義棟の各教室で11の分科会に分かれて25の研究発表が行なわれた。

 分科会終了後、同棟226教室において、14時10分より2時間にわたり、ふたつめのシンポジウム「言語の/とジェンダー:フランス語と日本語の場合」が開催された。司会者として上智大学泉邦寿氏、パネリストとして名古屋大学藤村逸子氏、神田外語大学藤田知子氏、文教大学遠藤織枝氏が参加したこのシンポジウムでは、言葉と「性」にまつわる興味深い話題が次々と紹介され、多数の聴衆の耳を釘付けにした。

 総会は16時20分から再びマルチメディアホールにおいて行なわれたが、議事に入る前に、2002年度学会奨励賞の発表と授賞式があった。受賞者は成城大学永井典克氏、受賞対象論文は「『フェードル』における毒の役割」(『仏語仏文学研究』第22号、2000年10月、東京大学仏語仏文学研究会発行)。

 総会議長をつとめて下さった東京都立大学吉川一義氏の周到な司会のおかげで、会則・運営規則の改正を含むすべての議事が予定どおり終了した後、柏木隆雄副会長の提案により、今回の長期にわたる改正作業を裏方として支えてきた歴代の幹事長に対して盛大な拍手が送られた。

 総会終了後、開催校に対する菅野会長の感謝の言葉につづき、東京外国語大学富盛伸夫氏が閉会の辞を述べられた。

 恒例の懇親会はキャンパス内の学生会館カフェテリアにて18時30分より開かれた。東京外国語大学Francois Roussel氏の司会により、まず西永良成大会実行委員長の挨拶、次いで柏木副会長のスピーチ、そして田島宏名誉会員の音頭で乾杯となった。会の半ばには、フランス大使館文化担当官Jean-Noel Juttet氏と前日特別講演をされたJeanne Bem教授のスピーチもあり、136名の参加者にとって忘れがたい歓談の一夕となった。2時間におよぶこの心楽しい懇親会は、長らく東京外国語大学教授をつとめられた岩崎力氏の挨拶によりおひらきとなった。

 とりわけ意義の大きかった本大会をこのような成功に導いて下さった西永良成大会実行委員長をはじめとする東京外国語大学のスタッフの皆様、大会をバックアップして下さった東京外国語大学、ならびに受付や会場設営の気を遣う仕事を立派に果たされた同大学の学生諸君に心よりの御礼を申し上げたい。また、本会事務局の2人の書記、丸山理絵氏と漆原みゆき氏にはいつもながらの完璧な仕事ぶりで事務局側の綿密な準備をしていただいた。あえて記して、感謝の念を表する次第である。

2001年11月4日 14時15分 [広報委員会]

2001年度秋季総会報告

ニュース110号(2001.12.10)より

幹事長 川瀬武夫

議長 高橋秀雄   書記 中野知律 松村剛
支部報告および委員会報告(別掲)を除く、一般会務報告と協議事項を以下に記す。

報告事項

1.会員数および会費納入率
9月30日現在、会員数は2012(一般会員1798、学生会員152、名誉会員3、賛助会員40、図書館関係19)で、予算に対して約80%の会費が納入されている。

2.幹事会の活動
春季大会以後、幹事会は6月16日と10月6日の2回開催された。昨年の秋季大会総会によって承認された、幹事会構成にかかわる会則の一部改正に基づいて発足した初めての幹事会であり、新しい会則に盛り込まれた理念をいかにして実現するかについては、まだ充分に確信を持てない手探りの状態がつづいているが、当面は幹事会開催回数削減の方向と、それに伴なう常任幹事会の業務分担の明確化を押し進めていきたい。

(1)会員登録用紙の書式を従来のはがき版からA4版に変更したことに伴ない、既会員に対してもほぼ同様の書式で会員情報の再登録をお願いした。締切は9月30日であったが、これまでに再登録された分は全会員の約40%にすぎない。まだ再登録を済ませていない会員は、速やかに登録用紙に記入して返送していただきたい。

(2)2002年度版会員名簿の編集作業に入るにあたっては、今回再登録された会員情報にもとづき、名簿掲載情報を事務局が一括してデータベース管理することで、会員の個人情報の取り扱いについて今後一層の配慮をはかりたい。新しい会員名簿には電子メール・アドレスの掲載を予定する一方、掲載情報の一部簡略化も検討している。

(3)アートランドホテル蓼科における夏期フランス語スタージュは今年で2年目を迎えた。運営委員会として、会場となったホテルの施設面での把握がまだ充分でなかったせいか、宿泊条件について一部の参加者に若干の不満を与えた面もあったようだが、スタージュの内容そのものにかんしては、5名のフランス人講師陣の素晴らしい熱意と努力のおかげで、きわめて大きな成功を収めることができた。長い歴史を持つこのスタージュが、社会状況の変化に応じて、フランス語担当教員のrecyclageのためのかけがえのない機会という新しい意義を着実に獲得しつつあることを実感した。また今回のスタージュの成功を支えたものとして、現地責任者を含む運営委員会のメンバーの献身的な奉仕があったことをあらためて強調しておきたい。

(4)春季大会で新たに設置が承認された広報委員会の内規が幹事会において検討され、一部文言の修正の上、合同役員会に提案することが了承された。合同役員会ではさらに一部文言を修正の上、これを承認した。

(5)2000年度幹事会が諮問した二つの点、すなわちスタージュの存続意義と運営方法について、および語学教育委員会の任務の見直しについて、学会のあり方検討委員会から中間報告を受けた(学会のあり方検討委員会の報告を参照)。とくに語学教育委員会の問題については、最終答申が出るのを待って、幹事会として本格的な審議を行なう予定である。

(6)昨年の秋季大会総会において設置が承認された会則改正委員会は、春季大会以後、6月30日と9月29日の2回にわたって委員会を開催し、すでに承認済みの幹事会構成にかんする部分を除く、残された会則条文の検討を行ない、6月30日の委員会では第3次案を作成し、さらに9月29日の委員会においては、その第3次案の補足・修正と、現行の施行細則にあたる運営規則の一部の改正文案が検討された。

会長・副会長が出席した10月6日の幹事会において、今回の会則改正作業に当初から参加している竹内信夫委員により、会則全面改正案の全文と新しい運営規則の一部の案文についての説明が行なわれ、一部文言が修正された上で、合同役員会に提出することが了承された。合同役員会では中地総務が改正案の説明を行ない、今後の改正の手順が承認された(協議事項を参照)。

(7)横浜女子短期大学助教授善本孝氏の解雇をめぐる裁判について、本年2月1日の横浜地方裁判所の判決で善本氏が全面勝訴を勝ち取り、4月1日付で職場復帰を果たしたことは春季大会における総会で前幹事長が報告したとおりであるが、さらに10月10日に東京高等裁判所において控訴審の判決が言い渡された。すでに学園側が解雇を撤回しているという理由で、地位確認の訴えは却下されたものの、解雇期間中の給与の支払いについては横浜地裁の判決と同じ支払額が認められた。これは解雇の撤回を解雇時に遡って適用するという判決であり、善本氏側の実質的な勝訴といえる。学園側は今回の判決に対して上告しない模様で、これをもって3年越しの裁判も一応の決着を迎えたとのことである。善本氏からこの間の本会の精神的サポートに対して感謝の念が伝えられている。

とはいえ、4月の職場復帰以降、授業担当のない事務職勤務という不正常な状態が残念ながらつづいており、問題の真の解決が実現するまでにはなお困難な道のりが予想されている。本会としても今後の推移をさらに注意深く見守っていきたいと考えている。

協議事項

1. 名誉会員推挙の件
 阿部良雄前会長を本会の名誉会員とすることが承認された。

2.会則改正の件
3.運営規則改正の件
 報告事項2-(6)で述べられた経過を踏んで作成された会則改正案の全文(2000年度秋季大会で一部承認された分を含む)、および運営規則(従来、施行細則と呼ばれていたもの)改正案の一部が、中地総務の説明により示された(詳細はこちら)。今季総会ではまだ承認を求めるものでないが、運営規則改正案の全文が整うのを待って、来春の総会において会則と運営規則の一括承認をめざすという全面改正の手順が承認された。

4.2002年度秋季大会開催校の件
 九州大学において、2002年10月26日と27日の両日に秋季大会を開催することが提案され、承認された。ひきつづき同大学の高藤冬武氏より受諾の挨拶があった。

2001年11月4日 14時14分 [広報委員会]

2001年度秋季大会報告

ニュース110号(2001.12.10)より

幹事長 川瀬武夫


2001年度秋季大会は、11月4日(日)、名古屋外国語大学において開催された。各種委員会、合同役員会、学会奨励賞選考委員会の開かれた前日の冷たい雨模様とはうってかわって、あくまでも青く澄みわたった秋の晴天の恵みのもと、全国から363名の会員がその美しく瀟洒なキャンパスに集った。

午前10時から名古屋外国語大学滝沢隆幸氏の司会によって行なわれた開会式には、例年に見られない多数の会員が参加した。愛知学院大学尾崎孝之氏の開会の辞につづいて、名古屋外国語大学学長平井俊彦氏から歓迎の挨拶をいただいたが、たんなる形式的な式辞の枠を越えて、御自身とフランス文学との接点を熱く語られたそのお話には一同大きな感銘を受けたものであった。これを受けて菅野昭正会長が返礼の挨拶を行なった。

ひきつづき午前10時30分より、午前と午後の部に分かれて、12の分科会で都合27の研究発表が行なわれ、前年の弘前大学においてと同様、秋季大会としては異例といっていいほどの盛会となった。

午後2時10分からは、5号館1階511教室にて、特別講演がふたつ。

はじめに、名古屋外国語大学大岩昌子氏の司会で「言語と脳――先端的研究の現場から」と題する講演が東京学芸大学関口貴裕氏によって行なわれた。アメリカでの同時多発テロ事件の影響で当初予定されていた講演者の小山紗智子氏が帰国できなくなったために、共同研究者として急遽ピンチヒッターに立って下さったとのことだが、若々しい明快な語り口で脳の言語機能にかんする最新の知見を平易に解説していただいたことに深く感謝したい。

次に、早稲田大学支倉崇晴氏の司会により、リヨン第2大学Laurent Thirouin氏が≪Le moi haissable, une formule equivoque≫と題する講演を行なった。非専門家の耳にはいささか難解なところもあったものの、パスカル『パンセ』の有名な一節をめぐる鋭利な分析の冴えに感嘆された方もさぞかし多かったことであろう。

特別講演がいくぶん長びいたために、総会は予定より30分程遅れて同じ会場で午後4時30分から開かれたが、議長をつとめて下さった愛知大学高橋秀雄氏の卓越した手綱さばきのおかげで、終了予定時刻の午後5時30分をほとんど越えることなく、用意された議事のすべてをつつがなく終えることができた。

総会終了後、菅野昭正会長から開催校に対する感謝の言葉が述べられ、最後に名古屋外国語大学滝沢隆幸氏の見事なフランス語による閉会の辞が本大会を締めくくった。

恒例の懇親会は、名古屋の中心地にある名古屋国際ホテルに場所を移して、午後6時30分より開催され、これにも事前の予測を上まわる120名もの参加者が集まって、心楽しい歓談の一夕を過ごすこととなった。名古屋外国語大学立花規矩子氏の司会により、まず名古屋外国語大学直原利夫氏の挨拶、次いで塩川徹也副会長のスピーチ、田島宏名誉会員の乾杯の辞とつづき、また会の半ばにはフランス大使館語学担当官Jean-Noel Juttet氏、特別講演者Laurent Thirouin氏、東京学芸大学関口貴裕氏、さらに本大会総会で来年度秋季大会の開催校に決まった九州大学の高藤冬武氏のスピーチがあった。

きわめて意義の大きかった今季大会をこのような成功に導いて下さった名古屋外国語大学のスタッフの皆様、大会をバックアップして下さった名古屋外国語大学、ならびに受付や会場設営等で立派な仕事を果たされた同大学の学生諸君に心よりの御礼を申し上げたい。また、本会事務局の書記である丸山理絵氏と漆原みゆき氏には、いつもながらの献身的な協力をしていただいた。あえて記して感謝の意を表する。