Site Web cahier ── 書評・エッセー・研究レヴュー

年2回発行されるcahier所収の書評とワークショップ報告に加えて、
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2008年11月8日 16時01分 [WEB担当]

2008年度秋季大会

大会基本情報

2008年度秋季大会

 日 時 2008年11月8日(土)、9日(日)
 会 場
 岩手大学
 参加者
 
 研究発表 45 
 講 演 Yvan Leclerc氏(Université de Rouen)
  La correspondance de Flaubert
 WS1 ネルヴァルと現代性―生誕200周年に際して
 WS2 ポストコロニアルとフランス語表現作家
 WS3 フランス文学とベルギー
 WS4 Pourquoi enseigner le cinéma ?

2008年度秋季大会案内
日時:2008年11月8日(土)& 9 日(日)

会場:岩手大学 学生センター棟(G棟) 〒020-8550 岩手県盛岡市上田3-18-34

大会本部:岩手大学 人文社会科学部 日本フランス語フランス文学会秋季大会実行委員会
   TEL & FAX:019-621-6719  /  e-mail:ntgoto@iwate-u.ac.jp
    ■ お問い合わせは大会本部まで、電話、ファックス、メールまたは郵便でお願いいたします。
    ■ 大会費等は同封の振込用紙にて、2008 年10 月24日(金)までにお振り込みください。
    ■ 大会参加にあたり、招請状の必要な方は学会事務局までご請求ください。
    ■ 委員会、役員会につきましては、学会事務局よりご連絡します。
    ㊟ 岩手大学は完全禁煙キャンパスです。喫煙場所はありませんので、非喫煙者としてお越しください。
    ■ お車でご来場の際は、正門から直進して突当りの第3駐車場をご利用ください。

大会費:1,000 円

昼 食:大会1日目(8日)は、大学生協中央食堂が営業しますのでご利用ください。 
    大会2日目(9日)は、周辺に営業している飲食店がほとんどございませんので、
    お弁当(税込1,000円:お茶付)を用意します。ご希望の方はお申し込みください。
    ■ お弁当引き換え所:学生センター棟1階G1 大教室
    ■ 一般控室:学生センター棟1階G19 教室
    ■ 賛助会員展示場:学生センター棟1階エントランスホール(正面玄関奥)

第1日 11月8日(土)

受 付 12:30~16:00 学生センター棟 玄関
  (懇親会以外の会場は全て学生センター棟です)

開会式 13:30~13:50 2階G2 大教室
 開会の辞    岩手大学   山 本 昭 彦
 開催校代表挨拶 岩手大学学長 藤 井 克 己
 会長挨拶    東京大学   塩 川 徹 也

研究発表会 2~4階
 第1セッション 14:00~15:30
 第2セッション 15:45~16:45
 第3セッション 17:00~18:00

懇親会 19:00~21:00
 会 場 ホテル・メトロポリタン盛岡NEW WING 4階
       TEL:019-625-1211(盛岡駅前北通)
 会 費 事前申込:7,000円(当日受付:8,000 円)
     学生& 発表者&司会者事前申込:5,000 円
     (学生&発表者&司会者当日受付:6,000円)
 会場へのアクセス:学生センター棟前より送迎バス
     17:40 発 & 18:10 発 & 18:30 発の3便

研究発表会 第1セッション 14:00-15:30
A-1 語学・語学教育 G22
司会 大久保 朝憲(関西大学

1.ひろく持つ―手仕事の可能性
  小田 麻里名(愛知教育大学非常勤講師)

2.代名動詞受動的用法の表すモダリティについて
  山田 博志(筑波大学教授)

3.意味の不完全決定性とトートロジーの解釈―阿部 (2008)を批判する
  酒井 智宏(日本学術振興会特別研究員)

B-1 18世紀 G21
司会 阿尾 安泰(九州大学

1.ルソーの幸福論―地上に生きる人間として
  井上 のぞみ(岩手大学非常勤講師)

2.哲学者としてのリベルタン―サドのリベルタンの理想像
  林 學(徳島文理大学文学部教授)

C-1 19世紀(2) G31
司会 岩切 正一郎(国際基督教大学

1.ネルヴァル『幻視者』における政治と宗教―「カリオストロ」における革命の祭典を中心に
  辻川 慶子(同志社大学非常勤講師)

2.七月王政期の学校教育とボードレールの詩想
  畠山 達(東京大学大学院博士後期課程)

3.ランボーにおける身体表現―キリスト教に抗して
  塚島 真実(東京大学大学院博士後期課程)

D-1 19世紀(5) G32
司会 阿部 宏(東北大学

1.16歳の処女論文─ソシュールの伝記的一事実について
  金澤 忠信(東京大学助教)

2.スタンダールの『ローマ散策』と新義「イタリアニスム」の起点―『バイアーノの修道院』著者考証II
  山本 明美(神戸大学非常勤講師)

3.Balzac et l’envers du monde
  Igor Sokologorsky(Lecteur étranger à l’Université du Kyushu)

E-1 20世紀(1) G41
司会 中野 知律(一橋大学)

1.プルーストとラシーヌ悲劇―『フェードル』を中心として
  松原 陽子(早稲田大学大学院博士後期課程)

2.プルーストとライプニッツ―自我とモナドをめぐって
  西脇 雅彦(早稲田大学大学院博士後期課程)

3.『失われた時を求めて』における「夜」と「昼」―反復の諸相
  青木 幸美(皇學館大学非常勤講師)

F-1 20世紀(3) G42
司会 吉田 裕(早稲田大学)

1.観念なき理想化―1930年代におけるブルトンのオブジェ論について
  有馬 麻理亜(日本学術振興会特別研究員)

2.「断片的なエクリチュール」における中世文学の影響―ジョルジュ・バタイユの「ポエジー」について
  市橋 明典(明治学院大学非常勤講師)

3.ジョルジュ・バタイユとアンドレ・ブルトンの「魔術的芸術」について
  荻野 厚志(一橋大学大学院博士課程単位取得退学)

G-1 20世紀(6) G46
司会 安原 伸一朗(日本大学)

1.ベケットによるフランス語使用とその言語観
  鈴木 哲平(日本学術振興会特別研究員)

2.マルグリット・デュラス『ヒロシマ・モナムール』―固有名の構築とその崩壊としてのテクスト
  関 未玲(立教大学非常勤講師)

3.見ること、触れること―モーリス・ブランショにおける「距離をおいた接触」について
  門間 広明(早稲田大学助手)



研究発表会 第2セッション 15:45-16:45
A-2 16世紀 G22
司会 濱田 明(熊本大学

1.「語り手」から「書き手」へ―『パンタグリュエル』とラブレー
  佐藤 正樹(早稲田大学非常勤講師)

2.16世紀末期におけるアレゴリー詩法の変容―ミシェル・キリアン『黙示週』(1597)三日目「飢餓について」を中心に
  林 千宏(大阪大学大学院博士後期課程)

B-2 19世紀(1) G21
司会 小野 潮(中央大学

1.隠遁者、野生人、蛮人―シャトーブリアン『歴史研究』におけるギボンの活用
  片岡 大右(日本学術振興会特別研究員)

2.Moïse, « Antique et moderne », mais non « Puissant et solitaire » lectures du livre de l’Exode
  Geneviève FONDVILLE (Chargée de cours, titulaire, à l’Université de Sophia)

C-2 19世紀(3) G31
司会 吉田 典子(神戸大学)

1.ゾラの小説における女中の役割―家庭の中の主従関係
  寺嶋 美雪(東京大学大学院博士課程)

2.ゾラのイデオロギー小説におけるオペラ
  田中 琢三(日本学術振興会特別研究員)

D-2 19世紀(6) G32
司会 川瀬 武夫

1.マラルメと「フランス精神」
  熊谷 謙介(日本学術振興会特別研究員)

2.マラルメにおける斬首のテーマ
  内藤 元和(立教大学教育講師)

E-2 20世紀(2) G41
司会 小倉 和子(立教大学)

1.『よじ登る』におけるジャック・デュパンの詩学―破壊と構築
  中山 慎太郎(学習院大学大学院博士後期課程)

2.イヴ・ボヌフォワの芸術論における母親像
  今村 公佐(東京大学大学院博士後期課程単位取得退学)

F-2 20世紀(4) G42
司会 北山 研二(成城大学

1.記憶と可逆性―アルフレッド・ジャリの「タイム・マシン」
  合田 陽祐(上智大学大学院博士後期課程)

2.Procédé et/ou processus―レーモン・ルーセル『アフリカの印象』の生成をめぐって
  永田 道弘(名古屋大学グローバルCOE研究員)

G-2 20世紀(7) G46
司会 渡辺 芳敬(早稲田大学)

1.媒介としての写真―草稿から見る『明るい部屋』の賭け金
  桑田 光平(東京大学大学院博士課程)

2.なぜ『知覚の現象学』はあのように終わっているのか?
  合田 正人(明治大学教授)

研究発表会 第3セッション 17:00-18:00
A-3 中世 G22
司会 原野 昇(放送大学

1.フランス語韻文「トリスタン物語」におけるブランジアン―meschine, damoisele, magistre, nuirreture
  上杉 恭子(東京大学大学院博士課程)

B-3 17世紀 G21
司会 友谷 知己(関西大学)

1.Un témoin de la première querelle du théâtre en France: le Prologue de La Porte, comédien à Bourges, contre les Jésuites, (6 octobre 1607).
  Michaël DESPREZ(Professeur titulaire, Université Sophia)

C-3 19世紀(4) G31
司会 佐藤 正年(熊本学園大学

1.エミール・ゾラの『ごった煮』における「予告」と狂人の関係―サチュルナン像の変遷
  中村 翠(京都大学大学院博士後期課程)

2.ポーリーヌの宗教―ゾラ『生きるよろこび』に関する試論
  渡辺 智浩(一橋大学大学院博士後期課程)

D-3 19世紀(7) G32
司会 山崎 冬太(東北学院大学

1.マラルメのポー翻訳
  原山 重信(慶應義塾大学非常勤講師)

2.マラルメにおける死―ヴィリエ=ド=リラダンとのかかわり
  原 大地(日本学術振興会特別研究員)

E-3 19世紀(8) G41
司会 朝比奈 弘治(明治学院大学)

1.ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』の「典拠」―そのテクスト構成のメカニズム
  石橋 正孝(日本学術振興会特別研究員)

F-3 20世紀(5) G42
司会 星埜 守之(東京大学)

1.エメ・セゼール『帰郷ノート』におけるアフリカと帰郷
  小松 正道(関西学院大学大学院博士課程後期課程)

2.忘却、痕跡、創造的想起—P.シャモワゾーの『独房での日曜日』を中心に
  廣松 勲(モントリオール大学大学院博士課程)

G-3 20世紀(8) G46
司会 鈴木 雅生(共立女子大学

1.アントナン・アルトーのメキシコ体験をめぐって
  稲葉 剛(早稲田大学大学院博士後期課程)

2.ル・クレジオの島への旅の記録―『ロドリゲス島への旅』と『ラガ―見えない大陸への接近』の比較
  桜井 典夫(國學院短期大学非常勤講師)

第2日 11月9日(日)
受 付 9:30~13:30 学生センター棟 玄関
    (以下の会場は全て学生センター棟です)

特別講演会 10:00~11:30 2階G2 大教室
 題 目    La correspondance de Flaubert 
 司 会    名古屋大学   松 澤 和 宏
 講 師    ルーアン大学  Yvan LECLERC(フランス政府文化使節) 

ワークショップ 12:45~14:30 2~4階

総 会 14:40~15:20 2階G2 大教室
 議 長    成城大学    有 田 英 也

閉会式 15:20~15:30 2階G2 大教室
 会長挨拶   東京大学    塩 川 徹 也
 閉会の辞   岩手大学    後 藤 尚 人

特別講演会 La correspondance de Flaubert
 講 師:Yvan LECLERC(Professeur à l'Université de Rouen, invité en mission culturelle avec le soutien de l'Ambassade de France au Japon)
 司 会:松澤 和宏(名古屋大学)

 イヴァン・ルクレール教授は、検閲の問題をはじめ19世紀文学に造形の深いフローベール研究の第一人者である。『ボヴァリー夫人』の全草稿の電子テクストによる生成批評版をインターネット上で公開して、国際的な反響をよんだことは記憶に新しい。J・ブリュノーによるプレイヤッド版『書簡集』編纂を引き継ぎ、昨年最終(第5)間を上梓している。『書簡集』は文学理論の観点から60~70年代に高く評価されたが、そうした評価をも相対化してしまう独特の魅力を湛えている。今回の講演は、『書簡集』刊行の歴史を振り返り、チボーデとプルーストの論争の背後にある書簡家フローベールと小説家フローベールの「対立」に触れながら、『書簡集』の価値やその批評的活用について考察し、手紙の詩学に説き及ぶ予定である。

ワークショップ
WS1 ネルヴァルの現代性を探る―生誕200年に際して
コーディネーター:朝比奈 美知子(東洋大学)
パネリスト:水野尚(関西学院大学)、野崎歓(東京大学)、湯沢英彦(明治学院大学)

 「ぼくに残る最後の狂気、それは自分自身を詩人だと思いこむことでしょう」―同時代の仲間から「優しいジェラール」とよばれたネルヴァルのこの言葉の裏には、激しい精神の闘争の軌跡が秘められている。彼の「狂気」の源泉は、その個人的な資質ばかりでなく、むしろ、彼が生きた「近代」の病理に見出されるのではないか。彼は、発展と爛熟の裏で回復不能な疎外を生むこの時代に対する反抗を「狂気」という形で提示したのである。しかしながら、同時代のボードレールが、あるいは、20世紀のプルーストやシュルレアリストたちが看破したごとく、「狂気」の詩人は、みずからを蝕む虚無の土壌と夢の間ではてしない放浪を続けながら、病める時代からの確信犯的な逸脱を企て、新たな時代を拓く言葉の霊感をしたたかに模索していた。随所に奇妙な空白感、断層、亀裂を秘めた「狂気のエクリチュール」は、どこへ向かおうとしていたのか? それは現代のわれわれに何を示唆するのか? 生誕200年というひとつの節目にあたり、受容史の検証、現代文学との接点の検討を加えつつ、ネルヴァルの作品に秘められた現代性を探りたい。

WS2 フランス語表現作家とポストコロニアル
コーディネーター:立花英裕(早稲田大学)
パネリスト:中村隆之(明治大学)、鵜戸聡(日本学術振興会特別研究員)、工藤晋(東京都立芸術高校)、大辻都(東京大学大学院博士課程)

 このワークショップでは、「移動」を一つのキーワードとして幾人かのフランス語表現作家を比較しながら、第2次世界大戦以降のポストコロニアルな状況の中でフランス語圏文学がどのような展開を見せたのかを検討する。取り上げる作家は、カリブ海域と北アフリカを中心に活動したフランツ・ファノン、カテブ・ヤシン、マリーズ・コンデ、エドゥアール・グリッサンの4人である。これらの作家は、マリーズ・コンデだけが10歳前後若いものの、ほぼ同時代の空気を吸いながら、多元的な移動の中で言語創造と思索を進めたという共通性がある。彼らの言語的・空間的移動は、第3世界の独立闘争とネグリチュードの運動とともにヨーロッパ植民地主義を批判し、解放と自立を求めて展開されるが、政治と言語・文化の問題が未分化といってよい状況の中でそれぞれに独自の様相を帯びていく。このような4人の軌跡の共通点と相違を検証する中で、20世紀後半のフランス語圏文学の特質を考えてみたい。

WS3 フランス文学とベルギー
コーディネーター:海老根龍介(白百合女子大学
パネリスト:岩本和子(神戸大学)、吉村和明(上智大学)、田母神顕二郎(明治大学)

 いま、なにか唐突な感じでフランス語圏とオランダ語圏の分離を唱える声が湧出しはじめている多言語国ベルギー。そのフランス語作家は、何「文学」に帰属するのか、をはじめとして、ベルギーのフランス語文学といわゆる「フランス文学」が取り結ぶ、奇妙で複雑な相互関係をあらためて考察しようという企画です。問題設定の見取り図と展望を岩本和子氏が提出し、それを受けて、美学的側面から「モデルニテ」の旗印のもとでのロップス、ユイスマンス、テオ・アノンのコラボレーションについて吉村和明氏が、ベルギー出身でありつつベルギー文学への帰属を拒否したアンリ・ミショーの詩的立場について田母神顕二郎氏が、それぞれ報告を行います。それをもとに、日本という外側からの視点のもとにはじめて意識され、みえてくるはずの言語と文学をめぐる問題化を、会場からの参加とともに討論形式で行います。ふるってご参加ください。

WS4 Pourquio enseigner le cinéma?
コーディネーター:Olivier AMMOUR-MAYEUR(立教大学)
パネリスト:François BIZET(青山学院大学)、森田 秀二(山梨大学)、小川 美登里(筑波大学)

 Pourquoi est-il devenu urgent de prendre en compte le cinéma comme support d’enseignement de la langue et de la littérature française dans les classes? C’est à cette question qu’entend répondre cet atelier.

 Il ne s’agit pas seulement d’employer le cinéma comme support à un cours de langue, mais bien aussi de montrer que le cinéma permet d’entrer de plain-pied dans la culture et dans la littérature. Qu’il s’agisse de montrer les liens entre littérature et adaptations cinématographiques, ou encore, ce qui est sans doute plus intéressant, de montrer les liens théoriques qui existent entre ces oeuvres narratives dont beaucoup de notions critiques sont communes, chaque croisement entre ces deux disciplines artistiques indique des forces communes qu’il faut chercher à exploiter au maximum afin de capter l’attention des étudiants et afin de leur montrer qu’une image s’analyse autant qu’un texte; et enfin que savoir lire l’un c’est savoir lire l’autre.

 Pendant cet atelier, chaque intervenant présentera succinctement la façon dont le cinéma est devenu un élément moteur de sa classe (de langue et/ou de littérature), avant qu’un échange avec la salle permette d’approfondir les possibilités d’exploitation de ce support dans nos cours.