フランス語教育国内スタージュ(Stage)
過去のスタージュ
le 27 mars
9h20-10h50
Le Cadre Européen Commun de Référence et les certifications françaises :DELF, DALF et TCF.
(Christell LE CALVÉ)
Le Cadre Européen Commun de Référence, connu aussi sous le terme CECR, est le résultat d'un long travail de recherche dans le domaine de la pédagogie des langues vivantes au sein de l'Europe. Ce livre regroupe toutes les données théoriques utiles aux enseignants ou auteurs de manuels pour concevoir et réaliser leur progression pédagogique ; il présente également toutes les compétences à faire acquérir aux apprenants.
Cet instrument a favorisé l'apparition d'une certaine homogénéité dans les cursus européens et permet une meilleure lisibilité du niveau des étudiants et des compétences acquises. C'est ainsi que le Cadre est devenu la base et la source de tous les manuels de langues vivantes étrangères en Europe et des certifications françaises et plus largement européennes.
Après quelques informations générales servant à vous montrer l'origine et les objectifs de ce Cadre, nous verrons d'une part comment sont mis en pratique ces objectifs dans la création des certifications françaises (DELF, DALF et TCF) ; d'autre part comment vous pourriez utiliser ce Cadre et ces certifications dans votre pratique pédagogique.
11h00-12h30
教材の分析と活用 (飯田良子)
ふつう授業では教科書を使います。しかし教科書が使いにくいと感じた経験はありませんか。教科書を使いこなせるようになることは良い授業のために大切なことです。
このアトリエではフランスで出版された教科書を取り上げ、「使いこなす」をキーワードとして、授業での活用の仕方を考えていきます。自分で教科書を選んだり、指定された教科書を理解するためには「教科書分析」が必要になりますが、そのことについても触れる予定です。
14h00-16h00
Les documents authentiques dès les premiers niveaux en classe de langue
(Isabelle MORIEUX)
Les enseignants travaillent avec une méthode qui permet de suivre les recommandations du Cadre Européen Commun de Référence pour les Langues.
Cet atelier a pour but de convaincre les enseignants de l'utilité― de la nécessité ― d'adjoindre à cette méthode d'autres supports d'apprentissage ― ici les documents authentiques oraux et écrits ―, de leur montrer comment les utiliser dès les niveaux A1 et A2, puis de les aider à réinvestir ces nouveaux acquis avec des supports qu'ils sélectionneront eux-mêmes.
Nous verrons donc tout d'abord en quoi ces supports authentiques sont utiles et nécessaires à l'apprentissage.
Ensuite, nous tenterons de voir lesquels on peut utiliser et comment on peut les sélectionner ; nous verrons également lesquels sont à disposition des enseignants travaillant au Japon.
Enfin, nous aborderons, sous forme de simulation de classe, des exemples concrets de démarches pédagogiques avec des documents authentiques.
16h15-17h45
日本人教員とフランス人教員との協力による授業運営 Coordination pédagogique par les professeurs japonais et français (國枝孝弘+ Patrice LEROY)
この授業では、週2回の日本人とフランス語ネイティブの授業を想定し、カリキュラムのデザイン、とくに、それぞれの授業をどのように有機的に組み上げ、チームティーチングをしていくのか考察する。
カリキュラムの立て方から始まり、それぞれの授業の内容にまで踏み込んで、具体的に検討していきたい。従来の日本人は訳読、フランス語ネイティブは会話といった縦割りでは なく、教員同士がコミュニケーションを測りながらそれぞれの授業を構築する ことを目指す。
アトリエでは、みなさんにも積極的に参加してもらい、模擬授業ができるところまで進めたいと考えている。
le 26 mars 2007
Présentation des séances
9h20-11h20
教授法 Méthodologie du FLE : le Cadre Européen Commun de Référence pour les Langues et la perspective actionnelle
(Isabelle MORIEUX)
Qu'est-ce que cette perspective actionnelle?
Nous donnerons ici une définition de la tâche et verrons comment on peut faire une distinction entre la tâche que nous accomplissons au quotidien et celle que l'apprenant exécute en classe.
Nous tenterons de comprendre ensuite la différence qui réside entre «l'approche communicative» et cette «perspective actionnelle».
Nous répondrons concrètement à des questions que se posent les enseignants :
- les activités de classe se trouvent-elles modifiées (ou non) par l'application de cette perspective actionnelle?
- le rôle de l'apprenant s'en trouve-t-il modifié?
- le rôle de l'enseignant a-t-il changé?
発音(基礎) (鵜澤恵子)
14h00-15h00
発音(どう教えるか) (鵜澤恵子)
学習者がフランス語を身に付けていく各段階の授業で、どのように発音を扱っていくかを考えます。(ここでは言語の音声的な部分を全て「発音」と呼ぶことにします。)
当日は、まず、FLEの授業の中で発音として採り上げる事象を確認し、学習者にとっての困難な点とその解決のしかたを例示します。次に、発音の練習がどのような教室活動に成り得るかを探ります。
15h15-16h45
文法をどう教えるか (中井珠子)
「文法を教える」といっても「文法」の教科書にしたがって授業を進めることは非常に少ないといえます。学習プログラムの中に文法をどのように組み込むかはクラスのレベルやタイプ、目的に応じて考えるべきものですし、すでにプログラムや教材が与えられている場合も、教え方はいくらでも工夫できます。さらに、同じ授業のなかでも教える文法項目によって、アプローチは異なります。「どう教えるか」は個性と腕の見せどころ。時制、冠詞などを例に考えましょう。
17h00-18h00
模擬授業準備 (Isabelle MORIEUX、中村公子)
スタージュ最終日に行う「模擬授業」の準備のためのséance です。模擬授業の教材として扱うものをあらかじめこちらで準備し、stagiairesに配布します。このséanceでは教案作成、「模擬授業」当日の進め方、注意点、等についてお話しする予定です。また、「模擬授業」は2つのグループに分けて行いますが、各グループのメンバーはこの「準備」séanceで発表します。
招聘講師Mme Isabelle Morieux氏プロフィール
Madame Isabelle Morieux est enseignante de Français Langue Etrangère et depuis 1995 formatrice de formateurs pour enseignants de français au CAVILAM de Vichy. Elle est spécialiste des formations associées à TV5 comme "apprendre et enseigner avec TV5" ou "des clips pour apprendre". Madame Morieux enseigne également à travailler avec les médias, la chanson et les documents authentiques. Elle est impliquée dans les certifications françaises, le DELF-DALF, en tant qu'examinatrice-correctrice au CAVILAM.
Parallèlement à ses activités d'enseignante et de formatrice de FLE, Madame Morieux est directrice du CIBC 89 (Centre Interinstitutionnel de Bilans de l'Yonne) qui vise à rechercher des futurs secteurs d'activités et à proposer des bilans de compétences professionnelles en partenariat avec les institutions locales impliquées dans l'emploi et les différents secteurs d'activités.
イザベル・モリュー先生は、FLE教員養成講師歴10数年というベテランの先生。「もし私の話している時間の方が、皆さんが話す時間よりも長かったら、その授業は失敗です」。そうおっしゃる先生は、何よりも、生徒たちの、主体的な授業への参加を大切にされているようでした。講壇から一方的に語りかける授業ではなく、常に教師と生徒のインタラクティヴな関係を重視なさろうとする先生の姿がとても印象的でした。
個々の参加者のよいところを引き出し、それを評価しようとする先生の姿勢は一貫しており、そのことは、最終日の模擬授業に対するきめ細かなコメントによくあらわれていました。その一方で、模擬授業での日本語の使用を一切認めないなど、自分の方法を貫かれる姿勢には厳しさが感じられました。
ベテランのモリュー先生の指導のもと、経験や年齢も様々な17人のスタジエールたちが、相互的刺激を通じて、独特の活気を生み出していたというのが、私の、今年のスタージュについての感想です。(鈴木啓二)
スタッフのことば
スタージュの様子
3月23日午後3時。桜が咲き初めた東京の一角、恵比寿の日仏会館で、2006年フランス語教育国内スタージュが開幕した。日本フランス語フランス文学会、日本フランス語教育学会、フランス大使館-3つの柱に支えられた本スタージュには、様々な形でフランス語教育に携わる人々が集まった。少々緊張ムードの中に始まった自己紹介(フランス語)では、「高校教員です」「富山出身です」「大学院生です」「フランス革命が専門です」「日本語を教えていました」など、多様な受講生の横顔が垣間見られた。初日後半は本スタージュの講師も交えた討論となり、「学習者のやる気をそそるような」「生きた言語としてのフランス語を教える方法」に興味がある等、意欲的な意見が飛び交った。
受講生の1日:3月24日-午前中は日本人講師と共にセアンスを担当したブザンソンからの招聘講師の語る教授法の歴史に聴き入り、午後の日仏講師のチーム・ティーチングについてのアトリエでは、国籍当てゲーム実践で、コザックダンスを熱演する者もあった。また、夕刻まで続いた文法の扱い方の授業では真剣な議論が交された。「ここまでの感想は?」という質問に返ってきた答えは、「内容が本当にバラエティーに富んでいて、面白いです」ということだった。それぞれの現場に即した教え方・学び方を探る鍵をここでしっかりつかみ、未来のフランス語教育の扉をあけられるようエールを送りたい。(国内スタージュ作業部会 高瀬智子 1998年志賀スタージュ参加)
招聘講師カニエさん語録
- トルコでフランス語と教授法を教えていたとき、現地と軋轢がありました。それまで教壇に立っていたのは、多くがトルコ人と結婚したフランス人女性でした。わたしは、たとえ少しくらい訛りがあっても、きちんとした教授法を身につけたトルコ人の教員を採用するようにしたのです。」(研修2日目、スタッフとの昼食で)
- (模擬授業直前の打ち合わせ。司会の中村公子先生、田中幸子先生と)「(もし受講生がフランス語での教案説明で立ち往生したら)、大きく息を吸うんだ、と言いましょう。」
- 「わたしは授業の準備をせずに教室に入ったことは一度もありません。打ち明けて言うと、今でも授業の前にはいつも心臓がドキドキします。もし、いつの日か不安を感じなくなったら、わたしはこの仕事をやめようと思っています。」(研修最終日、模擬授業の講評で。文責有田)。
授業見学記
アトリエとは、いわゆる「ワークショップ」のフランス語訳で、参加型、体験型の講習会や研究会を意味します。
研究会という面では、近年、本学会が全国大会で企画している「ワークショップ」の形態があたるでしょう。授業形式としては、生徒を参加させる、巻き込み式の形態となるでしょう。これは生徒が受身ではなく、問題を提起し他の生徒が答え、そして実際に体験することで学習する授業です。発話がなされる場所や人物の脱=中心化という風に捉えられます。
國枝・ルロワのクラス(金曜3限)はまさにこの意味でのアトリエでした。特に、後半のルロワ氏の提起したゲーム形式による試みはそのとおりでした。というのは、生徒を立たせて席を移動させる、机を並びかえる、こうしたことが授業と脳の活性化につながるからです。
また、日本人とフランス人の教員がペアを組んで授業に臨むというのも、ある意味でこのアトリエの脱=中心的発想の延長にあると思われます。ところで、日本人教師とフランス人教師は、役割分担などせず同じことを継続していけば、おのずと相互補完的になる、という主張が授業中にあり、これが非常に印象に残っています。これから、この考えについて、ゆっくりと考えてみます。(熊本哲也語学教育委員長の感想に、有田が加筆)
2008年スタージュは、3月23日-27日に東京日仏学院(飯田橋)にて開催されました。
le 26 mars 2006
9h20-10h50
発音の教え方 Méthodologie de l'enseignement de la phonétique/ prononciation
(Mme Uzawa 鵜澤)
En partant des caractéristiques phonétiques (concernant les sons et la prosodie) du français, et en considérant les difficultés particulières des Japonais, nous verrons les éléments phonétiques, plus exactement phonologiques, à traiter dans la pratique du cours. Nous ferons des exercices qui nous montreront comment ces éléments prennent place dans l'apprentissage du français. Des techniques de correction phonétique seront présentées au cours de la séance. Nous parlerons également de l'enseignement de l'orthographe française découlant de la prononciation.
11h00-12h30
授業分析の手法・新教案準備 Préparation de pratique de classe
(Mme Nakamura 中村)
「より良い授業をしたい。」これは、私たちフランス語教育の現場にいる教員であれば誰もが望むことだと思います。ところで、「良い授業」とは何なのでしょうか? 自分の授業は「良い授業だ」あるいは「良い授業ではない」というような感想はどこからくるのでしょうか?
この疑問から出発して、授業での「教師の役割」や「教室空間の使い方」など、学習活動に変化をもたせるために必要な要素について考えてみましょう。また、授業で何が起こっているのかを知ることが授業改善にもつながって行くのですが、そのためには授業を客観的に見る必要があります。言い換えると「授業分析」です。その授業分析のいくつかの方法を見てみましょう。最後に、基本的な「授業の組み立て方」を見直しながら、次のセアンスのための「教案準備」をします。このスタージュ申し込み時に提出していただいた教案をもとに手直しされても、また改めて「新教案」を作成されても構いませんが、今までとは少し「味付け」を変えた授業を考えてみませんか?
14h00-17h15
教案の発表と討論 Présentation du plan de leçon
(Mme Nakamura中村 + tous les intervenants disponibles)
「授業分析の手法・教案準備」のセアンスで作成した教案をもとに、受講者による模擬授業を行います。
0. 最初に、作成した新教案の中で、このスタージュで学んだことに関連して特に工夫したこと、初めて挑戦すること等を、まずフランス語で2~3分間紹介していただきます。(このセアンスに参加予定のフランス人講師のため。)
1. 一人あたり7~8分以内でできるactivité(またはactivitéの一部)を発表していただきます。
2. 発表後、学習者役からの3~5分内でのコメント(2~3名)。(時間的余裕がないので、学習者役の方全員に予め小さな紙を配布しておいて、気づいたことを模擬授業中にその都度メモしていただきます。メモは「記名」とします。このメモは、後日、受講者の方に郵送致します。)
3. 発表を行う順番は当日のセアンス初めに発表します。
他の受講生の方々や出席している講師たち、スタージュ準備委員会メンバーの方たちを学習者に見立てて実際に授業をしてみましょう。実際に教壇に立っている方も、まだ教えてはいない方も、たとえ短い時間でも人前で授業をするのは不安なものですね。でも、怖がらないでください。学習者役の講師たちや委員会メンバーは、皆さんがそれぞれに「自分らしさ」をより出せる授業にするために心から応援しています。他の人と比べたり、授業評価をするためのものではありません。授業には個性が反映されますが、その授業を観察する側についても同じことが言えます。受け取り方は個人によって差があります。それは各自の持つ価値観や考え方の違いから当然のことです。従って、寄せられるコメントは様々でしょう。ある人にとっては「良い」と思われることが、別の人には「物足りない」と思われるかもしれません。でも、これは実際の授業で「ある学生(生徒)には...」というのと同じことです。大切なのは、日頃、「自分では気づかないことを知ること」です。「とらえ方」は個人の数と同じだけあります。そういうコメントは決して決定的なものではありません。受講者の皆さんが、このスタージュ後(あるいは、もっと先の将来)、フランス語教育に携わっていかれる時の参考材料としていただければ幸いです。Bonne continuation !