朝日出版社の事業継続を願う声明文
ご存知の学会員も多いと思いますが、2024年10月22日(火)付の朝日新聞朝刊で、朝日出版社の出版事業をめぐる困難が報道されました。同社は日本フランス語フランス文学会の賛助会員であり、フランス語の教育、普及、研究のために長年尽力してくださっています。そこで、去る10月27日に開催された秋季大会総会での協議をうけ、また常任幹事会の同意を得て、会員の有志が同社の事業継続を願うための声明文を作成し、同社宛に書面で送付しました。その文面は下記に掲載した通りです。
なお今回の声明文は、あくまで有志が出したものであり、当学会として公式に発出した文書ではありません。学会員の皆さまにはその点をご理解いただければ幸いです。
日本フランス語フランス文学会有志(50音順)
2024年11月8日
小倉 孝誠
久保 昭博
澤田 直
杉本 圭子
山上 浩嗣
朝日出版社の危機について
2024年10月22日(火)付の朝日新聞朝刊で、朝日出版社の事業継続の危機が報じられました。報道が事実なら、私たちとしては深く憂慮いたします。
朝日出版社は優れた語学教科書の制作・供給により、日本におけるフランス語教育のみならず、外国語教育全般の振興に対し、大きな貢献を果たしてきた出版社の一つです。1962年の創業以来、同社が刊行してきた教科書は膨大な数にのぼり、それらは昔もいまも、多くの高校や大学で使用されています。その意味で、同社の公益性・公共性の高さについては疑いを容れる余地はなく、仮に今後、同社の教科書の数々が教育現場で使用不可能になるとすれば、わが国の中等教育・高等教育に及ぼす損失は計り知れません。
同社は日本フランス語フランス文学会の賛助会員として、フランス語教育・研究の発展のため、本学会とともに尽力してきました。会員のなかには、同社からフランス語の教科書やフランス文学関連の書籍を刊行している者、日々の授業で同社の教科書を用いている者も数多くいます。
今回の出版社としての同社の危機に対して、学会の会員の多くが心を痛めています。朝日出版社がこれまでと同様に出版事業を継続し、今後も日本における外国語教育・文化の振興に貢献されることを切に願います。
2024年11月8日 日本フランス語フランス文学会会員有志一同