1997年度秋季大会報告
ニュース99号(1997.12.10)より
幹事長 小林茂
1997年度秋季大会は、11月1日(土)、2日(日)の両日、本学会としては初めての、沖縄の地における全国大会が、琉球大学において開催された。晴天に恵まれ、広大なキャンパスに、330名の参加者が集った。
第1日目は、森田孟進氏(琉球大学)の開会の辞、琉球大学学長桂幸昭氏挨拶、阿部良雄学会会長挨拶に続いて、まず、パリ現代日本研究センターPatrick BEILLEVAIRE氏による特別講演«Etat Présent des études japonaisesnen France»、ついで、主催校森田孟進氏の司会で、小川早百合(聖心女子大学)、中島昭子(キリスト教史学会)、豊見山和行(琉球大学)の各氏に、特別講演者BEILLEVAIRE氏を加えたパネリストによって、シンポジウム「琉球とフランス」が開催された。シンポジウムを終えて会場を出た参加者は、琉球大学学生諸君のエイサーの歓迎を受けた。暮れなずむ緑のなかに繰り広げられる演舞は、感銘深いものであった。
第2日目の午前は分科会発表にあてられた。午後は、Jean-Christian BOUVIER氏(九州芸術工科大学)の特別公演«La traduction, l'édition et la réception des livres japonais en France de Nishimura Kyotaro à Miyazawa Kenji, un succès relatif …»、そして、詩人・ジャーナリストである川満信一氏による記念講演「沖縄独立論の系譜」が行われた。
今大会の最大の特色は、シンポジウム・特別講演の主題が、一方で、琉球の地の歴史と文化に思いを向けるものであり、他方で、フランスに向けて発信する日本文化にかかわるものであったことにある。そのいずれもが、フランス語フランス文学の研究と無関係でないものとして、参加者は聴き入ったことであった。
立花英裕氏(早稲田大学)議長による総会終了の後に、懇親会に移り、西森和広氏(琉球大学)の司会のもと、菅野昭正副会長の挨拶、川村克己名誉会員発声の乾杯の辞で宴ははじめられ、在日フランス大使館文化部Jean MAIFFREDY氏、特別講演者P. BEILLEVAIRE氏の挨拶もはさんで、140名の参加者は、泡盛古酒と土地の料理、また古典琉球芸能の披露に時を忘れた。
大会の運営にあたられた主催校スタッフに、深甚の感謝を表したい。また、学会事務局の霜山恭子、大谷克子の両書記の協力にお礼申し上げる。