イベントその他関連情報(Autres Informations)

2013年9月4日 12時10分 [広報委員会]

ディドロ生誕三百周年記念講演会のお知らせ(東京・名古屋・京都)


今年、2013年はドニ・ディドロの生誕三百周年にあたります。この記念の年を機に、来る9月17日より30日まで、イタリアからジャンルイジ・ゴッジ(ピサ大学教授)を招き、日本各地のディドロ研究者・十八世紀ヨーロッパ研究者のご協力を得て、東京・名古屋・京都で一連の講演会を開催するはこびとなりました。


 ゴッジ氏はディドロ晩年の『両インド史』への寄稿やロシアの「文明化」をめぐる考察を中心に、ディドロの政治思想研究を進めてきた学者で、最近になって一部が『De l'Encyclopédie à l'éloquence républicaine』(Paris, Champion, 2013)にまとめられたその研究は、詳細な文献学的探索を通じて、マキァヴェッリ以来のヨーロッパの政治思想の遺産(ベーコン・ホッブズ・ハリントン・ロック・スピノザ等)と、フランス・ブリテン・アメリカを股に懸ける「晩期啓蒙」の政治的議論が、ディドロ晩年の政治的テクストにいかに刻印されているかを明らかにしています。また、ゴッジ氏の仕事は、長く等閑視されて来た感のあるフランス18世紀思想史における啓蒙から革命への関係についても、ディドロにおける古典的共和主義とロック的自然権論の合流の観点から、新しい視点を付け加えてくれます。世代的には68年世代に属しつつ、現在『両インド史』(Fernay-Voltaire, Centre international d'étude sur le 18e siècle)、 『ディドロ全集』(Paris, Hermann)、ヴォルテール『習俗試論』(Oxford, Voltaire Foundation)の批評校訂版の編纂にも携わっているゴッジ氏は、ディドロ研究・18世紀研究の文脈では、フランコ・ヴェントゥーリに続く世代のイタリアの十八世紀思想・文化史研究の代表的な研究者の一人と言えます。個人的にも敬愛するこの碩学の講演会にぜひ多くの方々にご参集いただきたく、お知らせをさしあげる次第です。なお、講演はいずれもフランス語で日本語の翻訳を付します。以下、各地の開催要領です。

 
 2013年9月22日(日)13:00〜 「ディドロの政治的言語におけるいくつかのイメージについて」
於・慶応大学(三田)研究棟1階A会議室
     (「百科全書研究会」での講演;逸見龍生氏の研究発表もあり)

 2013年9月24日(火)16:00〜 「ディドロとロシアの文明化」
     於・名古屋大学経済学研究科第一会議室

 2013年9月27日(金)15:00〜 「ディドロと政治的雄弁」
於・京都大学人文科学研究所本館1Fセミナー室2

 
 転送など歓迎いたしますので、ご関心の向きに幅広くお知らせを戴けると幸いです。なお、問い合わせは以下の私の連絡先までお寄せいただけると幸いです(京大人文研での講演会の案内のチラシを付します)。
 
 王寺賢太
京都大学人文科学研究所
606-8501 京都市左京区吉田本町
075-753-6920

ディドロ生誕三百周...pdf