フランス語教育国内スタージュ(Stage)

2011年12月27日 21時22分 [admin]

2012年フランス語教育国内スタージュ募集要項

案内

2012年フランス語教育国内スタージュ募集要項

 

2011108


日本フランス語フランス文学会

日本フランス語教育学会

 在日フランス大使館

 

 日本フランス語フランス文学会、日本フランス語教育学会、在日フランス大使館の三者は、以下の要領でフランス語教育国内スタージュを共催します。参加を希望される方は指示にしたがってご応募下さい。



主催:日本フランス語フランス文学会、日本フランス語教育学会、在日フランス大使館

期日:2012324日(土)13時  327日(火)1830

   (時間に関しては、プログラム確定後に若干の変更の可能性あり)

会場:東京日仏学院(飯田橋)

   東京都新宿区市谷船河原町15JR・東京メトロ飯田橋駅徒歩5分)


目的と概要:

言語教育にかかわる分野を概観し、フランス語教授法および教育技能について基礎知識を習得する。フランス語教育の専門家を講師として、4日間の集中研修を行う。講義・演習を含めた研修内容により、参加者各自の教育活動の実情に即して改善すべき課題を明確にする。4日間すべての講座を修了した者には日本フランス語フランス文学会、日本フランス語教育学会、在日フランス大使館文化部による修了証が与えられる。本スタージュ修了者のうち若干名が選抜されて、2012年夏にフランスおよびケベックで実施される教員対象の研修コースに派遣される予定である(注)

 

内容:p.3を参照のこと。

募集人数:20名程度。応募者から主催者が書類選考する場合がある。

応募資格:日本フランス語フランス文学会または日本フランス語教育学会の会員であって、現在フランス語教育にたずさわっている教員もしくは近い将来たずさわることを希望する大学院生。

参加費:16,000

滞在費補助:遠隔地からの参加でホテル等に宿泊する参加者には、1泊上限5,000円の滞在費補助を行う。

提出書類:(1)参加申込書、(2)履歴書(フランス語)、(3)応募者アンケート              をフランス語教育国内スタージュ事務局宛てに角2封筒(A4サイズ)で郵送すること。(提出書類についてはpp.4-5をご参照ください。なお、(1)参加申込書は両学会のホームページからもダウンロードできます。)

応募期間:2011121日~2012110日(必着)

応募・問い合せ:フランス語教育国内スタージュ事務局

住所:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿3-9-25 日仏会館505

  日本フランス語フランス文学会気付

電話:03-3443-6671 fax03-3443-6672 E-mail :sjllf@jade.dti.ne.jp

 

(注)フランスにおける夏季研修の選抜については、原則として教歴のある方を優先しており、フランス大使館文化部から下記の基準が示されています。フランスへの派遣を希望して決定した場合には、正当な理由なく辞退することはできません。

 


Critères de sélection des candidats boursiers à la formationprofessionnelle en France (juillet/août)

La sélection des stagiaires du stage de mars sefera collégialement entre la SJDF, la SJLLF et le Service culturel del'Ambassade de France. En revanche, la sélection des professeurs boursiersrelève du Service culturel.

Afin de sélectionner les professeurs boursiers et stagiaires (formationprofessionnelle en France durant l'été 2012), le Service culturel retiendra lescritères de sélection suivants :

* l'expérience professionnelle antérieure du professeur

* la participation au stage de mars (on demandera uncourt compte rendu personnel de participation au stage de mars)

* un entretien avec l'Attaché linguistique du Serviceculturel de l'Ambassade de France au Japon et les secrétaires généraux de laSJLLF et de la SJDF

* le projet de formation du professeur

 

<参考>

選抜人数と国外研修先: 

2006年度 14CLA (Besançon)

2007年度 10 CAVILAM (Vichy) ouCLA (Besançon)

2008年度  5 CAVILAM (Vichy) ou Institut de Touraine (Tours)

2009年度  6 CAVILAM (Vichy) ou Institut de Touraine (Tours)

2010年度 7 CLA (Besançon), 1Université de Montréal(Québec)

2011年度 7 CLA (Besançon), 1Université de Montréal(Québec)



2012年フランス語教育国内スタージュの内容についての説明

 

このスタージュは教え始めて間もない若手の先生方だけでなく、豊かな経験を積んでこられた先生方、そして近い将来フランス語を教えることを希望する大学院生も対象としています。既に教職にある先生方には教える仕事のあり方を振り返り、問題点や解決策をとらえ直す良い機会になり、これから教職を目指す方にはフランス語を教えるメティエをよく知る機会になることでしょう。

 

具体的にスタージュでは、日本におけるフランス語教育の現状をふまえ、教授方法や授業運営の技術について研修します。主な内容は次のようなものです。(プログラムの詳細は、12月中旬に日本フランス語フランス文学会、日本フランス語教育学会のホームページに掲載します。)

       外国語教育の観点から言語習得についての理解を深める。

       クラス内での教師と学習者の関わり方について具体的に考えながら、授業の組み立て方や学習者が活発に参加する学習活動とはどのようなものか理解する。

       発音、文法、文学などの教え方について理解を深める。

       学習の結果、習得されたことをどのように評価するのか、その方法を学ぶ。

       教科書やさまざまな資料の選択基準、それらの教材を使いこなすために授業プラン作成や授業展開について考える。

 

 スタージュは、講義によって知識を得ることと、具体的な課題からディスカッションや作業をすることの組み合わせによって進めます。そして最終日にはスタジエールによる模擬授業を行います。スタージュを通じて、講義を担当する現職の教師の考えを具体的に聞くことができるだけでなく、他の参加者との意見交換をとおして互いに刺激し合い、横のつながりを作ることもできます。スタージュが終わったあとも、実践的な情報交換の場として新たなネットワークを構築できるでしょう。また、研究者としての興味と外国語の教師としての仕事のあいだをどのように関連づけていったらよいのかということについても、考えを交換することができるに違いありません。

 本年度もフランスより、外国語としてのフランス語教育(FLE)の専門家を講師として招聘する予定です。詳細が決まりましたら両学会のホームページにアップいたしますのでご覧ください。

 なお、20122月中旬から3月上旬頃に模擬授業の準備を兼ねて授業見学をしていただく予定です。


stage2012募集要項.pdf

stage2012募集要項.doc



過去のスタージュ

2007年3月30日 12時42分 [WEB担当]

スタッフのことば

模擬授業 講師の感想
 今年は17名の受講者を2つのグループに分けて、一つはIsabelle Morieux さん、もう1つを私が担当しました。教えた経験のない学生からかなり長い経験のある方まで様々な受講者がいましたが、教材については皆同じ状況にするため、出版されたばかりのAlors ? というテキストを使用して、あらかじめ提示された枠組み(学習者、授業時間数、等の指定)の中で受講者一人一人に15分~20分程度の模擬授業をフランス語で行っていただきました。

 今回の模擬授業が全く初めての「授業」となる方にとっては不安なことも多かったと思いますし、また経験豊かな方にとっても生徒役が他の受講者やオーガナイザーメンバー、講師たちという雰囲気の中で授業をすることは短時間ではあってもとても緊張する経験だったことでしょう。
 
 しかし、そんな緊張する状況にも関わらず、受講者たちは各自の設定した授業目標に従って様々なタイプの工夫を凝らしたactivitéを実践してくれました。他人の真似をするのではなく、各自が自分のカラーを出した模擬授業になりました。生徒役の皆さんからは有益で具体的なアドバイスがなされ、受講者にとっては「自分でも知らなかったことを知る」機会になったことと思います。受講者の皆さんの短時間での授業準備と、フランス語で模擬授業を行った勇気に心から敬意を表します。Merci beaucoup à tous !  (中村公子)

模擬授業 事務局スタッフの見学記1
 招聘講師イザベル・モリュー氏が進行役の模擬授業では、9名のスタジエールが発表した。教室では本スタージュで講師を務めた飯田、鵜澤およびスタッフから鈴木幹事長、有田総務、途中から部員の明石が傍聴し、スタジエールの模擬授業が終わるごとにコメントした。講師のお二人からは、声の出し方やボードの使い方、ハンドアウトの指示文の是非など手厳しい助言が多かったが、それも授業を経験しているからであろう、スタジエールらは謙虚に聞き入っていた。かつて留学中にパリ第3大学の教授がレバノン人の発表者に対して言った印象深いことば、「前を向くんだ、原稿を読むな。たとえ、しどろもどろになっても、相手の目を見て話すんだ」を、わたしも繰り返していた。模擬授業はすべてフランス語でなされ、これまで授業経験のない学生にはかなりの負担だったと思われるが、それでも模擬授業の共通教材としたAlors ? を使いこなして見事な発表が相次いだ。昨年と比較して、よく練られた、破綻の少ない授業が多かったように思う。それはdocument authentiqueを自分で授業に加工したケースが相次いだ昨年と較べ、一応、教科書に編集されたテクストを使いこなす点に努力が集中したからであろう。

 モリューさんとは初日の食事会で、フランス語のみの模擬授業は経験の浅いスタジエールには負担が多すぎないか、と水を向けたところ、自分はintransigeanteだから断固としてフランスでの研修のようにする、とおっしゃったので少し議論になっていたが、スタジエールのパフォーマンスがこちらの杞憂であったことを証明した恰好になった。とはいえ、他のスタジエールを生徒(apprenant)に見立てての模擬授業では、発表者が不自然さを意識して固くなったり、思わぬリアクションに対応しきれなかったりと、苦労のあとがしのばれた。来年は、本物の学生(たとえば日仏学院の)を教室に連れてきてもよいかもしれない。

スタージュ全体 事務局スタッフの見学記2

 3日間の短期間の講習と研修にもかかわらず、現場教員と教員志望の学生からなるstagiairesはそれらをさまざまにアプローチして検証し実験的体験したことを、多様な模擬授業として表現できたと思う。自己紹介を授業の導入として活用したり、参加型の授業を目指して全身のリズムで語彙習得を試みたり、最新のFLEの教科書Alors ? の写真映像の文化的読みとりとした活用したり、実物提示による参加型授業を試みたりとたいへん刺激的な模擬授業でした。そして、それを参観した講師陣や事務局スタッフのコメントも構築的で、stagiairesはそれを積極的に今後の教育経験に反映させる熱意があった。成功したstageだったろう。

まとめ
 2007年度のスタージュは、日本フランス語フランス文学会・日本フランス語教育学会・フランス大使館による共催という新しい体制で開催された第2回目にあたる。今年から会場を飯田橋の東京日仏学院に移し、3月25日(日)の開会式に引き続いて、その後3日間の日程が順調に遂行された。総勢17名の参加者は、フランス語教員を目指す大学院生から、教育経験が既に豊富なベテラン教師まで、このうえなく多様性に富み、お互いに刺激を与え合うには絶好のメンバーとなった。招聘講師のイザベル・モリユ氏(CAVILAM)は、Méthodologie du FLEやMéthodologie des documents authentiques écrits / oraux の講義を通じて、フランスからの新風をもたらした。さらに「発音をどう教えるか」(鵜沢恵子氏)、「文法をどう教えるか」(中井珠子氏)、Cadre commun de référence & DELF/ DALF(クリステル・ル・カルベ氏)、「教材活用」(飯田良子氏)、「日本人教員とフランス人教員との協力による授業運営」(國枝孝弘氏およびパトリス・ルロワ氏)など、各分野にわたる興味深い講義が、参加者の語学教育に対する関心を高めた。中村公子氏は、招聘講師と共に携わるスタジエールの模擬授業に向けて、初日から最終日まで大変精力的に活動された。このフランス語による模擬授業は、スタジエールにとって貴重な体験となったようであった。総括の討論会では、スタジエール・講師・スタッフのあいだで、感慨深く有意義な感想やコメントが交わされた。新体制による2年の経験をふまえて、スタージュがさらに充実したものとなるよう進化して行くことを願いたい。(明石伸子)