2004年度秋季総会報告
ニュース118号(2004.11.25)より
幹事長 小倉孝誠 |
議長 大平具彦 書記 久保田勝一 渡辺芳敬 |
報告事項 1.会員数と会費納入状況 2004年10月31日現在、会員数は個人1751(普通1641、学生107、名誉3)、賛助29。購読団体は31。 2.幹事会の活動 春季大会以降、幹事会は2004年9月11日(土)に開催された。また会務を補うために、常任幹事会を7月23日(金)に開催した。 (1)学会誌編集方針の変更について 学会誌編集委員会は昨年より、学会誌を口頭発表聴取制から査読制に移行させるという改革案を提示している。この改革案については連絡協議会、2004年5月16日の幹事会、2004年度春季大会の役員会で審議されてきた。さらに学会誌発行が本会の重要事業であり、全会員に深く関係することに鑑みて、改革案をあらためて全会員に周知させるべく、2004年7月13日付けで学会誌編集委員会委員長の名で全会員に改革案を郵送した。これに対して北海道支部より、7月17日の北海道支部会において支部会員から出された発言を集約するというかたちで「意見書」が学会事務局に寄せられた。その中では、査読制に移行した場合、全国大会での口頭発表の位置づけが大きく変わるのではないか、地方大会での発表者が減るのではないかという危惧の念が表明されている。この点は9月11日の幹事会で協議された。 学会誌編集委員会は、本改革案を最終的に2005年春季大会の総会で正式決定することをめざしている。その前にあらかじめ会員の意見を集約するため、今秋から来春にかけて開かれる各支部の運営委員会や支部大会でこの問題を積極的に取りあげていただきたい。そのうえで編集委員会にたいして意見を提出する時期的なリミットとして、<1>支部レベルでは2005年3月31日(幹事会が開催される日)、<2>個人レベルでは本年12月末日としたい。意見のある人はメール、郵送、ファックスで事務局に寄せていただきたい。 (2)事務局書記の雇用形態の件について 今春まで所定労働時間内時給に較べて時間外時給が低いという状況があった。しかしこれは労働基準法の観点からいって問題があるので、常任幹事会は時給を同じにするという提案をした。また時給の差額については、過去2年間に遡って「給与未払い分」として請求する権利が書記の側に生じる。その請求を容れた提案が2004年5月29日の幹事会、役員会で了承されたのを受け、本年6月に学会の累積剰余金を用いて過去2年分の時給差額を書記に支払った。 現在、書記2名の勤務時間は週3日、1日5時間が所定労働時間になっている。しかし数年前から事務局の担当する業務がかなり増えたため、残業時間は週平均5時間を超えることが常態化していて、適正な状況とは言えない。そこで現状に見合った雇用形態に改善するため、書記と幹事会の双方が同意した上で週4日、1日5時間(したがって週20時間)を所定労働時間とする雇用形態に移行したい。週4日制に移行することにより会員等への事務的な対応が早くなり、二人の書記(業務は総務と会計に分かれている)が週3日は共に出勤することになるので、業務の進行がより円滑化する。この件は9月11日の幹事会で承認され、10月1日から正式に週4日制に移行した。 所定労働時間が20時間になることにともなって、学会は次のような対処をする。 <1>基本となる給与月額が上がるので、その分賞与(年間3か月)を増額する。 <2>労働保険への加入。「労災保険」と「雇用保険」があり、後者は労使が保険料を折半する。 <3>書面による労働契約を結ぶ。現在、弁護士に依頼して作成中である。労働契約書にもとづいて労働保険に加入することになる。 (3)学会法人化の件について 昨年度より継続審議となっている問題である。法人化のメリットとしては、例えば銀行口座の開設を学会名で行えるようになり(現状では会長の個人名で行わなければならない)、事務局書記が他人名義の口座の入出金をするという不都合が解消されること、寄付が受けやすくなることなどが挙げられる。デメリットとしては、法人税などが普通法人並みに課税される恐れがある。その際、公益性の高い団体であると認められれば税が免除される場合があるが、これも税務署の担当者次第と言われる。同種の学会としては、日本英文学会がすでに法人化しており、現在は文部科学省管轄の公益法人ということで非課税となっている。ただし平成17年(2005年)4月より法人改革の一環として法律が改正され、公益法人という区分がなくなって非営利法人という範疇に一括されるようになると、こうした法人も基本的には課税対象になるということである。こうした状況に照らして、この問題については来年の法改正を視野に入れながら、今後とも審議を継続していくべきだと考える。いずれ「あり方検討委員会」に諮問することになるだろう。 (4)委員選出問題の件 2004年度第1回幹事会(5月30日)で各委員会の委員選出のしかたが話題になった。すなわち現状では、<1>委員選出方法が統一されていないこと(支部推薦、委員会推薦)、<2>委員選出時期が委員会により異なること(学会誌編集委員会は春季大会から活動を開始するため、大会前の幹事会で新委員を承認、他の委員会では春の大会後の幹事会で承認)、<3>選出された委員が会員でない場合がある、<4>委員会選出と支部選出の連絡がうまくいかない、といった問題が存在する。 対応策としては、<1>委員会ごとに事情が異なるので、選出方法を統一することは難しく、基本的に委員会ごとに選出方法を確定していただく。<2>委員の選出時期を統一する必要はないが、選出年度を統一するのは効率がよい。現行に従って、まずは学会誌編集委員を決め、その交代時期にあわせて他の委員を選んだ場合、委員選出は2年おきとなり、また会長選挙年にもあたる(奇数年度)。<3>次期候補者選出の時点で、会員であるかどうかを確認する。<4>委員交代に関する情報を一元化し、事務局と委員会、支部が密に連絡をとる。具体的には、委員会選出・支部選出ともに、次期委員が決定したら事務局に知らせる(3月末まで)。事務局でリストにまとめ、春の大会前(4月末)に委員会・支部に送付、確認をする。重複があればこの時期に調整する。 以上の点が第2回幹事会(9月11日)で確認された。 また委員を兼任する会員がいるが、兼任は原則的に禁止であるということを各支部長を通じてあらためて周知徹底していただきたい(ただし、現在の兼任者についてはその任期が切れた時点で他の人と交代する)。 また、幹事会が支部に委員選出依頼をする時期は、支部大会より前が望ましい。したがって、第1回幹事会(春季大会直後)にて選出依頼をすることになる。 (5)学会誌編集委員会書記の報酬の臨時的増額の件について 学会誌85・86号は合併号(刊行は2005年1月)で従来の2号分にあたる数の論文が掲載され、さらに87号(同年4月刊行)があるということで、学会誌書記の仕事が今年にかぎって大幅に増える。この秋から各大会ごとの発表を学会誌1冊に掲載するという制度的な変化が、過渡的に学会誌書記の仕事を増やすことになったものである。この点をめぐって、7月末に吉田裕編集委員長から、本年にかぎって学会誌書記の報酬を上げてもらえないかという依頼があり、幹事会としては正当な根拠がある依頼だと判断した。そこで本年度だけの措置として学会誌書記の報酬を10万増額することとしたい。具体的には12月と来年6月の期末手当にそれぞれ5万ずつ加算する方式にする。 (6)大会における「ワークショップ」の件 今大会の新たな試みとして、2日目に3件の「ワークショップ」が同時進行的に開催された。これはパネリストと聴衆が同じ地平に立ち、一定のテーマめぐって率直な議論を交わそうという企画であった。幸い、いずれのワークショップにも数多くの学会員の参加があり、活発な意見交換が展開した。かなりの学会員から、有意義な試みであり、これからも続けてほしいという意見をもらっており、初めての試みとしては成功だったと思われる。ただ、大会プログラムの編成上、従来の学会行事に加えてワークショップを催すことには時間的な困難が予想される。今回の開催は、ワークショップを今後の大会で慣例化することを意味しない。企画するかどうかは、あくまで開催校の事情と判断に委ねられていることを申し添えておきたい。 協議事項 1.学会誌編集方針変更の件 学会誌を発表聴取制から査読制に移行したいという改革案が、昨年、学会誌編集委員会によって提出され、これまで継続審議になっていた。本大会時に開催された編集委員会において、細部を修正したうえで改革案が委員会内部で採択されたことが、吉田委員長によって報告された後、若干の意見の遣り取りがあった。いずれにせよこれは全学会員に深く関係し、大会のあり方そのものにも波及しかねない改革案であり、また、異論や疑問が提出されているという事情も考慮して、引き続き幹事会、役員会で協議していくことが確認された。 2.2005年度秋季大会開催校の件 杉本圭子大会担当常任幹事より、新潟大学において、同大学の高田晴夫氏を大会実行委員長として、2005年10月15日(土)、16日(日)の両日にわたって秋季大会を開催することが提案され、承認された。それを受けて、高田晴夫氏より受諾の挨拶があった。 |