2003年度春季総会報告
ニュース114号(2003.7.5)より
総務 永見文雄 |
議長 伊藤幸次 書記 横山安由美、白井恵一 |
報告事項 1.会員数 5月28日現在、会員数は1795(普通1649、学生109、名誉4、賛助33)。2002年度退会者数171(賛助6)。 2.幹事会の活動 秋季大会以降、幹事会は3月31日・5月10日・5月31日の3回、常任幹事会は2月1日・4月12日の2回、開催された。 (1)2002年の春季大会総会における本会新会則と新運営規則の採択に伴って、2002年度の本会ならびに幹事会における最大の懸案事項と位置づけられた支部規約と委員会内規の改正作業は、順調に進展した。支部規約については7支部全てにおいて支部総会で新規約が承認された。支部のご努力に対しここに深甚の敬意を表したい。また委員会内規については、学会のあり方検討委員会を除く6委員会の新内規が3月31日開催の第3回幹事会における集中審議を経て、5月10日開催の第4回幹事会で承認され、春季大会役員会と総会で報告されることになっている。学会のあり方検討委員会の新内規については、同じく第4回幹事会で改正案の説明が行われ、役員会における説明を受けて、総会に諮られる予定(協議事項参照)。改正作業の終了に伴い、本年7月に「学会ニュース」で規約特集を組む予定である。 (2)2002年度秋季大会実行委員長高藤冬武氏より昨年末に大会収支報告書の提出があり、常任幹事会で監査した結果、これを適正なものと認めた。こうした監査は、新運営規則施行後初めてのことであるが、5月10日開催の第4回幹事会で報告され、了承された。その後、同委員長より大会剰余金の一部20万円を本会に寄付したいとのお申し出があり、検討の結果、実行委員会のご意思を尊重してありがたくお受けすることとした。この件については、3月31日開催の第3回幹事会で了承された。九州大学の秋季大会実行委員会に対して、あらためて深甚の謝意を表したい。 (3)2002年度の学会奨励賞の推薦がなかったことに関して、本年1月、元関東支部長照木健氏より塩川副会長に対して、支部レベルでの候補者の検討を徹底するよう要望が出された。これを切実に受け止めた幹事会は、3月31日開催の第3回幹事会で候補者推薦の活性化の方策について協議した結果、候補者推薦母体である各支部において推薦体制を整える方向で早急に検討に入ることとなった。また、候補者の審査に関し、従来審査委員に支払っていた審査費(謝礼)についても検討した結果、経費削減、ならびに学会活動のボランティア的精神というふたつの観点から、これを廃止することが了承された。 (4)日本学術会議第19期会員候補者推薦について、同会議から推薦依頼があり、会長・副会長とご相談の結果、前副会長の中川久定氏に候補となっていただいた。推薦人は塩川・柏木両副会長と川瀬総務の3名、推薦人候補は幹事長の永見。この件については、3月31日開催の第3回幹事会で了承された。 (5)2004年度科学研究費補助金の審査委員候補者推薦について、日本学術会議語学・文学連絡委員会委員長平岡敏夫氏より推薦依頼があり、細目「ヨーロッパ語系文学」枠の第1段候補者として瀬戸直彦氏と吉村和明氏を、また細目「言語学」枠の第1段候補者として東郷雄二氏を、それぞれの取りまとめ学会である日本英文学会と日本言語学会に推薦した。この件については、5月31日開催の第5回幹事会で了承された。 (6)去る4月5日に逝去された元幹事長望月芳郎氏のご遺族より、香典168万9000円を本会に寄付したいというお申し出があり、5月10日開催の第4回幹事会で協議した結果、故人のご遺志とご遺族のご意向を尊重してこれをありがたくお受けし、学会奨励賞基金に組み込むことが了承された。ただし、会計上の処理については2003年度通常経費決算の監査を受ける必要があるため、基金への組み入れは2004年度にずれ込むこともあわせて了承された。 3.支部活動の活性化という新会則の方針の一環として、2003年度から支部の要請に基づいて支部会費の代理徴収を行うこととなっていたが、本会事務局から各支部にアンケート調査を行い支部代理徴収の希望を聞いた結果、関西支部を除く6支部について、このたび代理徴収を開始した。今後、この6支部の会員は、本会事務局から送付する会費振込用紙で支部会費もあわせて支払う方式となる。本会発行の領収証が必要な場合は、本会事務局に書面で申し込むことによって、振込済み受領書と引き換えに本会会費および支部会費の領収証を本会事務局で発行することとした。関西支部については例年通り関西支部が支部会費を徴収することになる。 4.昨年の秋季大会で大会参加費等の事前郵便振込制を導入するなど、大会開催校の負担軽減等を目指した大会運営方法の改革に踏み出したが、その後種々の改善点を盛り込んだ「大会運営マニュアル」を完成した。今後、実行委員会と本会事務局はこのマニュアルに沿って大会準備と大会運営を進めることとなる。マニュアルは大会終了後に毎回見直すこととした。また、大会収支報告書の監査の義務化に伴い、大会会計の不備の発生を防ぐため、大会会計簿をあらたに策定し、勘定科目の統一も行った。今後は大会実行委員会にあらかじめ大会会計簿を渡して準備期間中ならびに大会期間中の記入を求め、大会終了後、大会実行委員会は大会会計簿を大会収支報告書とともに常任幹事会に提出し、監査を受けることとなる。なお、今後の大会運営に関しては、将来的には会則の改正も視野に入れながら、大会参加費の徴収を廃止する方向で、大会費用を学会費に組み込む形による大会運営が果たして可能かどうかを、常任幹事会がさまざまな角度から検討することにした。 5.スタージュ運営委員会の一部から昨秋学会分担金の増額要求の意見提出があったため、常任幹事会で過去3年間のスタージュの収支状況の見直しを行った結果、さしあたって増額の必要はないと判断、現状の予算内で運営してもらうことにした。あわせて、経費削減に努め繰越金を取り崩さずに運営にあたることを確認した。その後、常任幹事会では、支出金の詳細を明確化するために、勘定科目等の再検討と出納帳の雛形作りを行った。また、委員会内部の引継ぎ・申し送り事項の確実な継承という観点から、今後資料・文書類のオリジナルは本会事務局で保存・管理することとし、スタージュの仕事に関するマニュアル作りを進めることにした。 協議事項 1.2003年度人事(新任)が提案され、承認された。(別掲→p.11) 総会開催前の12時半より行われた予備常任幹事会において、佐野泰雄氏が互選により2003年度幹事長候補に選出されたことが報告され、幹事長を含むすべての人事案件が承認されたあとで、佐野氏より新幹事長受諾の挨拶があった。 2.学会のあり方検討委員会内規改正の件 小林茂同委員会世話人より改正案の説明があり、原案通り承認された。 3.2004年度春季大会開催校の件 片木智年大会担当常任幹事より、白百合女子大学において、同大学の山辺雅彦氏を大会実行委員長として、2004年5月29日(土)と30日(日)の両日に春季大会を開催することが提案され、承認された。引き続き山辺氏より受諾の挨拶があった。 4.2002年度決算の件 高橋信良会計担当常任幹事による2002年度通常経費決算の説明があり、藤野昭雄氏の監査報告ののち、原案通り承認された。 5.2003年度予算の件 高橋常任幹事による2003年度通常経費予算案の説明があり、原案通り承認された。 6.2002年度スタージュ決算の件 高橋常任幹事による2002年度スタージュ経費決算の説明があり、月村辰雄氏の監査報告ののち、原案通り承認された。 7.2003年度スタージュ予算の件 高橋常任幹事による2003年度スタージュ経費予算案の説明があり、原案通り承認された。 ◇会長・副会長選挙 5月10日開催の選挙管理委員会で予備選挙の開票・集計作業を行ない、同数得票者がいたためA地域5名、B地域7名の合計12名を会長・副会長候補者として決定した。その後B地域の候補者1名が辞退を申し出たため、最終的に11名を同候補者とすることにした。 6月1日の春季大会総会時に本選挙の投票を行い、運営規則第5章に基づいて厳正に開票・集計作業を行なった結果、会長には菅野昭正氏、副会長には塩川徹也氏と柏木隆雄氏が、いずれも第1回投票で有効投票の過半数を獲得して再選された。 ◇運営規則改正 5月10日開催の第4回幹事会で運営規則の改正案が承認され、春季大会時の役員会における議決を経て、同総会で報告・了承された。改正は2箇所。全国大会の収支報告書の提出期限に関する規定(第1章第13条①)と学会奨励賞基金に関する規定(第2章第2条)である。従来収支報告書の提出は大会終了後2ヶ月以内とされていたが、これでは提出時期が休暇にかかるため処理に支障があった。昨秋から大会参加費の事前郵便振込制が実施され、また大会会計簿などを整備したことから、会計処理の迅速化が期待できるようになったために、今回の改正となった。学会奨励賞基金については、松下和則元会長より申し出のあった「フランス・ロマン主義研究会」よりの寄付金を学会奨励賞基金に組み込むことにしたのに伴う改正で、あわせて字句の修正も行った。 第1章 全国大会 第13条(大会の収支報告) ① 大会実行委員長は、懇親会に関係するものを除き、大会実施に係る収支報告書を、大会終了後2カ月以内に常任幹事会に提出しなければならない。 →1カ月 第2章 学会奨励賞 第2条(基金) 本賞は、辰野隆氏、鈴木信太郎氏、小場瀬卓三氏、水野亮氏、高木進氏、高橋孝氏、鈴木敏夫氏よりの寄付金合計5,400,000円に学会会計より4,600,000円を加え、合計10,000,000円を基金とし、その利息等を以て賞金に当てるものとする。 →(…氏)、小林正氏よりの寄付金合計6,652,074円 →本会 →合計11,252,074円 →充てる 付則 本運営規則は2002年(平成14年)6月3日より施行する。 →① 本運営規則は2002年(平成14年)6月3日より施行する。 ② 2003年(平成15年)5月31日、一部改正。 |